Inpatient rehabilitation specifically designed for geriatric patients: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2010.
当院リハ科では廃用患者も多く入院されているのですが、御高齢でいろいろな合併症がある方だと脆弱化(frailty)などの問題もあり、自宅退院後どこまで機能維持できているかについて疑問がありました。
これはBMJに掲載されたメタアナリシスで、高齢入院患者におけるリハの機能予後・生命予後に対する長期効果を明らかにした論文です。
全身疾患による入院後、廃用にてリハをうけたGeneral geriatric rehabilitation群(廃用群)の論文8つと、骨折により入院後リハをうけたOrthopaedic geriatric rehabilitation群(骨折群)の論文7つが選ばれています。年齢は大体65歳以上といったところでしょうか。
機能予後に関する結果です。入院リハ後、自宅退院されてから3-12週経過観察したところ、骨折群は機能維持できていたのに対し、廃用群は機能維持できていませんでした。
生命予後に対しては3-12週フォローしたところ、骨折群では入院リハを受けたほうが有意に生命予後が良かったのに対し、廃用群では入院リハが生命予後に寄与していないことがわかりました。
詳細に関しては原著に帰る必要がありますが、合併症や原疾患のある高齢廃用患者では退院後また具合悪くなったときに機能が維持できにくいし、リハが生命予後に寄与しにくいということではないかと思います。
障害程度や退院後のサポート体勢にもよるかと思いますので、日本でならもう少し良い結果が出るかもしれませんし、もちろん機能維持できている廃用リハ症例がいることも確かです。いずれにせよ、高齢廃用患者に対する入院リハに際しては自宅退院後機能維持できるかどうかの見極めが必要かと考えられました。そして、そのあたりの見極めこそリハ医の出番かと!
登録:
コメントの投稿 (Atom)
磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」
磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...
-
PROGRESS IN LIPID RESEARCH 12.54 Annual Review of Nutrition 8.422 Advances in Nutrition 7.24 CRITICAL...
-
新しいリハ医学関連誌のインパクトファクターが公開されました Journal of Physiotherapy 5.55 Annals of Physical and Rehabilitation Medicine 4.2 ...
-
Journal of Cachexia Sarcopenia and Muscle 10.754 AGEING RESEARCH REVIEWS 10.39 AGING CELL 7.346 GeroS...
0 件のコメント:
コメントを投稿