2011/11/27

酔うと異性が魅力的に見える:ビールゴーグル効果


Effects of Acute Alcohol Consumption on Ratings of Attractiveness of Facial Stimuli: Evidence of Long-Term Encoding. Alcohol and Alcoholism 2008
お酒に酔うと異性が魅力的にみえることがあり、この現象はビールゴーグル効果と呼ばれています。


βをビールゴーグル効果の大きさとすると
β = (An)^2 × D(S+1) / √L × (Vo)^2 の式がなりたつとマンチェスター大学の研究者達が報告しました。
 An = アルコール消費量
 S = 空気の汚れ
 L = 対象女性に対する照明の照射量
 Vo = 視力
 D = 女性との距離 です


この論文はビールゴーグル効果を裏付ける報告です。84人の学生にノンアルコール飲料とアルコール飲料をランダムに飲ませた後、人物写真を見せて魅力を判定してもらいました。結果アルコール群では有意に写真を魅力的だと判定したとのことです。
いずれにせよアルコールは人の判断を狂わせることがあります。少量のお酒は健康に良いといいますが、酔ってしまうと量のコントロールは難しいですよね。お酒に失敗しちゃうとこんなことになっちゃうかも。そろそろ忘年会シーズン、皆様飲みすぎて失敗しませぬようお気をつけください。

2011/11/26

Frailty:フレイルティ(虚弱)の定義

Fried LP, et al. Frailty in older adults: evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2000, 56: 146-56.
虚弱(Frailty)は近い将来、健康やADLに障害を起こす可能性の高い高齢者を抽出するために考え出された概念で「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が増し、Adverse Health Outcome(障害、施設入所、死亡)を起こしやすい状態」と理解されています。虚弱の定義としてはFriedらがこの論文で提唱したものが最も有名で、今回ご紹介したいと思います。
①Shrinking(縮み)→体重減少
②Weakness(弱さ)→握力
③Exhaustion(易疲労)→自己評価
④Slowness(緩慢さ)→歩行速度
⑤Low Activity(低活動)→消費カロリー
の5つをそれぞれ評価し、3つ以上ひっかかればFrailty、1、2つならPre-Frailとみなすとのことです。

こちらは細かな判定法です。易疲労はCES–D Depression Scaleを、活動性はMinnesota Leisure Time Activity questionnaireを用い評価すると書いてあります。この判定基準が日本人にもそのまま使えるかどうかは検証が必要と思われます。

こちらは虚弱サイクルという各症候の悪循環を表した図で低栄養、体重減少、疾患、加齢によってもたらされるサルコペニアがその中心的な病態像として位置づけられています。
虚弱はサルコペニアと類似点の多い概念ですが、評価という面では筋肉量測定が必須でないところが一番大きな違いだと思います。
現在、台湾でInternational Conference on Frailty Research 2011 開催中、、、行きたかったです。

2011/11/23

簡便な身体パフォーマンス評価尺度:SPPB

SHORT PHYSICAL PERFORMANCE BATTERY:SPPB
サルコペニアの研究論文などにしばしば登場するSPPBという身体パフォーマンス評価尺度があります。Assessing Physical Performance in the Older PatientというサイトのCD (Download and Execute)のところから評価ツール一式(評価のための動画がみられるソフトや過去のSPPB関連論文、評価シートなどなど)がダウンロードできます。(注意:ファイル大きいです。)
これはSPPBの評価シートです。バランス検査、4m歩行速度、Chair stand testの3つから構成される12点満点の尺度です。身体パフォーマンスを総合的にかつ簡便に計測するには良いバッテリーだと思いました。

2011/11/21

嚥下リハによる脳の賦活部位(fMRI Study)

Brain Activation During Oral Exercises Used for Dysphagia Rehabilitation in Healthy Human Subjects: A Functional Magnetic Resonance Imaging Study.Dysphagia 2011.
これは嚥下リハにより脳のどこが賦活されるかをfMRIを用いて検討した日本からの報告です。8人の健常者を対象に①口唇ストレッチ ②挺舌 ③舌を左右に振る ④ボールを舌で転がす運動により脳のどこが賦活されるかSPM5で解析しています。

結果ですがMIPからもわかるように①~④全てにおいて中心前回と小脳で賦活がみられ、特に④で強かったとの結果です。非常に妥当な結果だと思います。

2011/11/17

Frailty:フレイルティ(虚弱)の簡便な臨床評価尺度

Old or Frail: What Tells Us More? Journal of Gerontology. 2004.
Frailty:フレイルティ(虚弱)という概念があります。もともと加齢に伴い疾患罹患や死亡リスクの高まった高齢者を示すための概念で ①栄養障害、②易疲労、③筋力低下、④歩行能力低下、⑤活動性低下の5つが特徴とされています。
しかしもともとの概念に基づいて作られた評価尺度は複雑なものが多く使いにくいのが現状です。今回は臨床現場でも簡便に使用可能なFrailty評価尺度であるGroningen Frailty Indicator (GFI)について紹介します。

移動能力、体力、視力、聴力、栄養状態、不健康さ、認知、精神状態について15項目評価するもので、15点満点の尺度です。どの項目も容易に判定可能であり、だれでも評価可能だと思います。これが一番良い方法かどうかはわかりませんが、忙しい臨床現場の使用に耐えうるものではないかと思います。

今月末11/25-27、International Conference on Frailty Research 2011が台湾で開催予定となっており、Frailtyは世界的も注目されつつあります。リハ現場でもFrailtyの患者さんはたくさんいらっしゃいます。Frailtyという切り口でリハ患者さんをみてみると新しい側面に気づくかもしれません。

2011/11/12

13th MeT3・NST研究会に参加しました。

MeT3・NST研究会に参加してきました。MeT3(メットキューブ)とはMetropolitan, Medical team, Meetingの略だそうで、東京都のNST研究会です。
4つの一般演題のあと、災害時の栄養管理に関するシンポジウムがあり、各職種の立場から震災後の栄養支援に関して話し合いが持たれました。
最後に名古屋大・救急集中治療医学の松田直之教授より『急性期栄養ガイドライン ASPEN vs ESPEN』と題した特別講演があり、急性期から積極的に腸を使った方が予後が良いということと、炎症と戦うためにも急性期からアミノ酸をしっかり入れた方が良いということがお話されました。

来年は虎ノ門で10/20NTT関東病院リハ科・稲川先生が世話人、特別講演は横リハ・若林先生で開催予定だそうです。

2011/11/05

幸せ者は長生きできる?

Happy People Live Longer: Subjective Well-Being Contributes to Health and Longevity.Health and Well-Being, 2011
幸福にアンチエイジング効果はあるのか?これは幸せと長寿との関連性をみた40以上の論文のレビューです。
いろいろ研究デザインに問題もみられますが、人生に対する満足感、否定的な感情の欠如、楽天的で前向きな姿勢が健康や長寿に関連がありそうとのことです。なぜ幸せだと長生きできるかに関してまだははっきりしたことはわかっておらず、エビデンス不足は否めませんが今後に期待したい研究分野です。

2011/11/04

観察研究からRCTに近い結果を得る方法

最近Propensity Score:PS(傾向スコア)を用いた研究が注目されています。なぜなら本手法を用い治療選択バイアスを調整することで、後方視的な観察研究からでもRCTとほぼ同様の結果が得られると言われているからです。この手法を採用した論文はNEJMやLancetにも掲載されており、一流雑誌にも通用する方法であることは明らかです。
Perioperative Beta-Blocker Therapy and Mortality after Major Noncardiac Surgery.N Engl J Med 2005. このNEJMに掲載された論文はβブロッカーの術前投与の有効性を後方視的に証明した報告で、PSが使われています。βブロッカーの術前投与に関してはそれまではっきりしたエビデンスがなく、医師の好みの傾向(Propensity)によるところが多かったわけですが傾向スコア(好みの傾向により治療が割り当てられる確率)で交絡を調整することでRCTに近似した結果を得ることができたということです。
結果ですが心疾患ハイリスク患者においてはβブロッカーが術後死亡率を減少させたとの報告です。PSは良い方法だと思うのですが、これまで日本では本手法を用いた研究はほとんどなされていません。リハの分野ではRCTが現実的ではない場面も多く、本手法は有用ではないかと考えています。

2011/11/03

第48回リハ医学会学術集会に参加して

第48回リハ医学会学術集会にて2011/11/2-3と幕張に行って来ました。地震で延期され2日間に短縮されての開催です。
ポスター会場は広くて気持ちよかったです。

2つのワークショップに参加しました。論文投稿に関するWSはArch Phys Med Rehabilのチーフエディターなども参加され、全て英語で行われました。臨床研究支援のWSは統計や研究デザインについてためになるお話を聞かせていただきました。他大学の先生方との交流もあり大満足です。来年は福岡で開催予定です。

神経医学関連誌のインパクトファクター(JCR2018)

LANCET NEUROLOGY 28.755 Nature Reviews Neurology 21.155 ACTA NEUROPATHOLOGICA 18.174 Alzheimers & D...