Schortgen F, et al. Fever control using external cooling in septic shock: a randomized controlled trial. Am J Respir Crit Care Med. 2012;185:1088-95.
発熱時のクーリングは消耗を抑えるのに有効かもしれないが、免疫力を低下させるかもしれない。この疑問を解決すべく、SIRS(全身性炎症反応症候群)に対するクーリングの有用性を検討したSepsiscool Studyの論文です。
SIRSにて入院された患者(敗血症性ショックにて鎮静・挿管・昇圧剤が必要で体温38.3℃以上)をクーリング群(体温が36.5度~37度になるよう48時間クーリング)101人、非クーリング群99人にランダム割り付けし、昇圧剤の必要量、死亡率をフォローしています。
クーリング群では有意な体温減少がみられました。
昇圧剤増減アルゴリズムによって決定された昇圧剤の必要量はクーリング群で有意に少なくなりました。
14日目の死亡率は非クーリング群にくらべ、クーリング群は有意に低かった(0.44倍)との結果です。
クーリングは体温のセットポイントを変化させないことが言われており、その有用性については疑問を持っていましたが、今回のようなセッティングにおいては過度な感染性発熱に対するクーリングは安全であり有効であったとのこと。
一方、最近発表されたFace Studyという大規模観察研究では敗血症患者に対する薬物解熱は死亡率を上げたとも報告されています。鎮静されているかどうか、発熱の原因が感染性かどうか、クーリングか薬物解熱かどうかによっても違いがあるようです。
2012/08/07
2011/09/18
偽膜性腸炎を起こしやすい薬(レビュー)
Clin Infect Dis. 2008 Jan 15;46 Suppl 1:S19-31.Antimicrobial-associated risk factors for Clostridium difficile infection.
抗生剤を長期に使うと偽膜性腸炎という病態にしばしば出くわすのですが、これはどのような抗生剤が偽膜性腸炎を引き起こしやすいかについてのレビューです。
免疫力が落ちていると症状が顕在化しやすく、また高齢であったり抗生剤が追加されたりすると再発もしやすくなる、と。
結果ですが、セフェム系の薬が上位に食い込んでますね。高齢者の抗生剤選びの際には気をつけたいと思います。
抗生剤を長期に使うと偽膜性腸炎という病態にしばしば出くわすのですが、これはどのような抗生剤が偽膜性腸炎を引き起こしやすいかについてのレビューです。
免疫力が落ちていると症状が顕在化しやすく、また高齢であったり抗生剤が追加されたりすると再発もしやすくなる、と。
結果ですが、セフェム系の薬が上位に食い込んでますね。高齢者の抗生剤選びの際には気をつけたいと思います。
2010/12/17
SMARTなリハゴール設定を
Goal-directed training: linking theories of treatment to clinical practice for improved functional activities in daily life.Clinical Rehabilitation. 2007
目的志向型訓練に関する論文ですが、SMARTなリハゴール設定が効果的であったとしています。
SMARTなゴールとは
・Specific(具体的な)
・Measurable(測定可能な)
・Achievable(達成可能な)
・Related(関連性ある)
・Time-bound(いつまでに)
ですね。たとえばただ「歩行能力向上」をゴールとするのでなく「3週間で屋内杖歩行自立」といったように具体的に期間を決めたゴール設定をすることが有効であると。これこそリハ医の仕事ではないでしょうか。
目的志向型訓練に関する論文ですが、SMARTなリハゴール設定が効果的であったとしています。
SMARTなゴールとは
・Specific(具体的な)
・Measurable(測定可能な)
・Achievable(達成可能な)
・Related(関連性ある)
・Time-bound(いつまでに)
ですね。たとえばただ「歩行能力向上」をゴールとするのでなく「3週間で屋内杖歩行自立」といったように具体的に期間を決めたゴール設定をすることが有効であると。これこそリハ医の仕事ではないでしょうか。
2010/10/30
中枢性低ナトリウム血症(cerebral salt wasting syndrome,CSWS)
頭部外傷やくも膜下出血後の低Naは中枢性低ナトリウム血症(cerebral salt wasting syndrome,CSWS)であることが多いのですが、SIADHと診断されて治療されているのをよく見かけます。
CSWSはホルモン系などチェックしてもその機序がはっきりしないことがほとんどですが、塩も水も漏れる病態ですので飲水制限せずに塩もしっかり入れるのが有効です。尿中Naをみると結構Naがもれてしまっているのがわかります。コントロール難しければフロリネフなどの鉱質コルチコイドを使用するとうまくいきます。回復期の現場で低Naが遷延してリハビリ進まないという場面も時々経験します。皆さんのまわりにはこのような症例いませんでしょうか。
CSWSはホルモン系などチェックしてもその機序がはっきりしないことがほとんどですが、塩も水も漏れる病態ですので飲水制限せずに塩もしっかり入れるのが有効です。尿中Naをみると結構Naがもれてしまっているのがわかります。コントロール難しければフロリネフなどの鉱質コルチコイドを使用するとうまくいきます。回復期の現場で低Naが遷延してリハビリ進まないという場面も時々経験します。皆さんのまわりにはこのような症例いませんでしょうか。
2010/10/18
リハ医の特性とは
例年にくらべ来年はリハ科レジデント希望者が多いとのこと。今からとても楽しみにしています。ところでリハ医を選ぶのはいったいどんな人達なのでしょうか。「How to Choose a Medical Specialty」という本にはリハ医の特性として次のようなことがあげられています。
Want to be involved in pepole's lives
Like challenges
Be interested in listening to people
Want the responsibility of taking care of people
Enjoy being an expert
Like complex problem solving
Like coordinating people and tasks
Be content with small successes
Want to help people
Look for what is possible
どれかがピーンときたそこのあなた、リハ医に向いてます! 選択肢の一つとしてリハ医をご検討いただけると幸いです。
Want to be involved in pepole's lives
Like challenges
Be interested in listening to people
Want the responsibility of taking care of people
Enjoy being an expert
Like complex problem solving
Like coordinating people and tasks
Be content with small successes
Want to help people
Look for what is possible
どれかがピーンときたそこのあなた、リハ医に向いてます! 選択肢の一つとしてリハ医をご検討いただけると幸いです。
2010/10/11
自動心臓マッサージ器の動画
自動心臓マッサージ器、オートパルスの動画です。
http://www.youtube.com/watch?v=GE177snObTc&feature=related
予想を上回るシュールな動きにびっくりです。
心マは結構重労働ですし、マンパワーの軽減には良いかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=GE177snObTc&feature=related
予想を上回るシュールな動きにびっくりです。
心マは結構重労働ですし、マンパワーの軽減には良いかもしれません。
高次脳機能障害の評価入院
脳外傷から10年以上たった患者さんが高次脳機能障害の評価入院で入ってきます。屋外歩行・ADLは自立しているもののIADLが自立していないとのこと。どうやらその人が住んでいる県では高次脳機能障害の評価をしてくれるところがどこにもないということらしい。うーん、まだそんな地域があるのですね。可能なら更生施設を経由して何かしらの就労にまでつなげられたらと思っています。
2010/10/02
透析リハ入院は午後透析で
透析患者さんでリハ入院となるといろいろ気をつけないといけないことがあると思います。疲れやすいから訓練を小分けにしないととか、薬が使いにくいとか、バイタルの変動が大きいから気をつけないと、などなど。
私が透析患者のリハ入院を受けるとき、なによりもまず第一にすること、それは「午後透析にしてもらうこと」です。透析後は低血圧や不均衡症候群などもあるため、午前透析にされてしまうと透析日はほとんどリハビリできなくなってしまうことが多いからです。リハビリ訓練量の確保のためにも大切なことだと感じています。
私が透析患者のリハ入院を受けるとき、なによりもまず第一にすること、それは「午後透析にしてもらうこと」です。透析後は低血圧や不均衡症候群などもあるため、午前透析にされてしまうと透析日はほとんどリハビリできなくなってしまうことが多いからです。リハビリ訓練量の確保のためにも大切なことだと感じています。
2010/08/27
体力医学会スポーツ医学研修会
体力医学会スポーツ医学研修会に行って来ました。参加者同士での運動負荷試験の実習もあり、最大酸素摂取量推定やV-Slope法によるVTの測定を行いました。CPXに関しては理解不十分なところも多かったので良い勉強になりました。
2010/08/17
ALSの胃瘻増設タイミング
ALSでは胃瘻はいつごろ作るのが良いでしょうか?この論文によると%FVCが50%以下になる前にPEGを作ったほうが生命予後が良いとしています。ALSの胃瘻増設のタイミングは嚥下機能だけでなく、呼吸機能も考慮して検討しなくてはいけません。
脳疾患における低Na:中枢性塩類喪失症候群Cerebral salt-wasting syndrome(CSWS)
治療は塩の内服、それでもだめなら鉱質コルチコイドを使います。回復期病棟でも時々出会いますので注意が必要です。
脳卒中治療ガイドラインにも「くも膜下出血後の低ナトリウム血症に対して鉱質コルチコイド投与が有効との報告がある(Ⅰb)」との記載があります。ガイドラインで取り上げられている文献も紹介しましたので是非ご覧ください。
2010/08/07
ファイバー挿管
今日病棟で呼吸停止があったのですが挿管が難しく、嚥下内視鏡をガイドワイヤーがわりにして挿管しました。ファイバー挿管ですね、喉頭ファイバーが一本あるとこういうときにとても落ち着きます。患者さんはフルコース予定、今日は病院にとまって明日も病棟ですね。
2010/08/04
写真による家屋評価
当院に入院してくる患者さんには入院時に2つのことをお願いすることが多いです。介護保険の申請と家屋写真の撮影です。この2つをお願いすることで退院延期になる確率がぐっと減ります。
これは当院で使用している家屋写真のサンプルです。多くの場合、玄関、トイレ、お風呂の3箇所の写真があれば良いのでそこを中心にお願いします。(また、三大改修といえば段差の解消、てすりの設置、戸の取替えですね。)自画自賛ですが良くできてると思ってあげてみました。
2010/07/26
慢性期脊髄損傷における排尿障害の診療ガイドライン
付録に「二分脊椎症に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン」もついてますね。今、2人ほど二分脊椎みてるのでもう一度見直してみます。
切断後早期にスタンプシュリンカーを
皆さんは切断の患者さんにスタンプシュリンカーを使用してますでしょうか。要はソフトドレッシング代りに、断端を引き締めるためのものです。ソフトドレッシングは慣れていないスタッフですとなかなか難しいこともあり、早めに仕上げるにはどうしても必要だと感じているのですがあまり使用しているという話を聞いたことがないので取り上げてみました。是非、一度使用をしてみてください。
2010/07/18
転倒予防のメタアナリシス(FICSIT)
The effects of exercise on falls in elderly patients: A preplanned meta-analysis of the FICSIT.JAMA 1995
現在、脳卒中後転倒患者さんのADLと基本動作に関するCox比例ハザードモデルを試しているのですが、リハ病棟からもう少し転倒件数を減らしたいという話があり、古い論文ですが転倒のレビューには必ず名前の載っているFICSITの論文を読み直してみました。
太極拳のようなゆっくりとした運動を含んだバランス訓練が有効という結果ですね。転倒高リスク群のピックアップの方法の再検討と内服調整・身体イメージの修正あたりから介入していこうかと思いました。
現在、脳卒中後転倒患者さんのADLと基本動作に関するCox比例ハザードモデルを試しているのですが、リハ病棟からもう少し転倒件数を減らしたいという話があり、古い論文ですが転倒のレビューには必ず名前の載っているFICSITの論文を読み直してみました。
太極拳のようなゆっくりとした運動を含んだバランス訓練が有効という結果ですね。転倒高リスク群のピックアップの方法の再検討と内服調整・身体イメージの修正あたりから介入していこうかと思いました。
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