2012/04/30

脳卒中リハのアウトカムはサブタイプに影響を受ける

Eur J Phys Rehabil Med. 2010 Dec;46(4):511-6. Epub 2010 Apr 23.Rehabilitation in patients affected by different types of stroke. A one-year follow-up study.
脳卒中リハのアウトカムが脳梗塞のサブタイプによって影響を受けるかどうかを検討した報告です。700人近くの脳梗塞患者を臨床症状からOxfordshire Community Stroke Project (OCSP) criteriaにて分類し、フォローしています。

結果です。lacunar anterior circulation infarct (LACI)が30%、posterior circulation infarct (POCI)が14%、partial anterior circulation infarct (PACI)が33%、total anterior circulation infarct (TACI)が23%いた。退院時のBathel IndexやFIMをみるとTACIが有意にADLが低かった。

また、TACIは他のタイプの脳梗塞に比べ入院期間が長かったとのことです。

脳梗塞のサブタイプによってリハのアウトカムが異なるという結果は至極当然のことだと思うのですが、リハの学会発表を見ていると、サブタイプの事に触れられていないのをしばしば見受けます。
 OCSP分類は画像所見によらない臨床所見のみの分類なのでセラピストも使いやすいと思います。

2012/04/22

一方弁使用が気切患者の水分誤嚥を減らす

Dysphagia. 2003 Fall;18(4):284-92.Effects of cuff deflation and one-way tracheostomy speaking valve placement on swallow physiology.
気切患者に対するスピーチバルブなどの一方弁使用による誤嚥予防効果を検証した報告です。対象はカフつきカニューレ患者14人、カフなしカニューレ患者4人の計18人です

カフあり(左)、カフなし(真ん中)、バルブあり(右)の3条件で水分を2回嚥下してもらい、VFでの誤嚥(A)や喉頭侵入(P)の有無を比較しています。
一番右のOn-way valve(一方弁あり)の条件で左や真ん中でみられているAやPがNoP-A(誤嚥・侵入なし)に変わってるのがわかると思います。(ちなみにペースト食では有意差なしです。)
気切患者のカニューレに一方弁をつけると、水分誤嚥がかなり減るとの報告です。予想以上に減っており驚きました。

2012/04/21

カフ脱が気切患者の不顕性誤嚥を減らす

Head Neck. 2005 Sep;27(9):809-13.Swallow physiology in patients with trach cuff inflated or deflated: a retrospective study.
気切患者の経口摂取において、カニューレのカフは入れたほうが良いのでしょうか、脱気した方が良いのでしょうか。これは気切患者623人のVF画像をカフ入かカフ脱かで比較検討した報告です。

結果ですが、カフ脱してるほうが喉頭挙上が良く、不顕性誤嚥が少なかったとの結果です。カフが嚥下運動や喉頭感覚を阻害しているかも、とのこと。気切患者の経口摂取においては基本カフ脱した方が良さそうです。

2012/04/20

経鼻経管栄養チューブが嚥下機能に与える影響

Otolaryngol Head Neck Surg. 2011 Nov;145(5):796-800. Epub 2011 Aug 2.Effect of presence/absence of a nasogastric tube in the same person on incidence of aspiration.
経鼻経管栄養チューブ(NGT)が入っているとどれくらい嚥下に悪影響があるのでしょうか?これはNGTが入っている状態と入っていない状態で嚥下機能に差があるかどうかを検討した論文です。

まずNGTのはいっている脳卒中後嚥下障害患者100人ののどを覗いたところ、C,Dのように喉頭蓋周囲にとぐろをまいていたり、交差していた患者が5人いた。


A,Bのようにまっすぐ入っている人にVEをやったところ、2人以外はNGTが入っていても入ってなくても嚥下の所見に差がなかった。

C,Dのようにからまって入っていた5人においては全例NGTが嚥下機能に悪影響を及ぼしていた。

NGTが入っていても、絡まったりしていなければそんなに神経質にならなくても良いのでは、との報告です。
「浅めに入ったから、もう少し押し込んでおこう」という発想が絡まる主な要因ではないかと思います。あと、細め(日本人においては8Frか10Fr)を使うのが良いのではと思いました。経口摂取をあせるあまり必要なNGTを抜くことも無いとも解釈できますが、もちろん悪影響はゼロではありませんので不必要なNGTは抜去すべきと考えています。

2012/04/10

脳卒中に対する早期ボツリヌス毒素注射の有用性

Rosales RL, et al: Botulinum Toxin Injection for Hypertonicity of the Upper Extremity Within 12 Weeks After Stroke: A Randomized Controlled Trial. Neurorehabil Neural Repair. Feb 27,2012

脳卒中後上肢痙縮に対するボツリヌス毒素注射は急性期でも有用でしょうか?これは脳卒中発症後早い時期における、上肢痙縮に対するボツリヌス毒素注射の効果と安全性を検討したRCTです。

MAS scoreが1以上の初発脳卒中患者(発症からの期間:2~12週間)163人を対象に、ボツリヌス毒素(Dysport)500Uもしくはプラセボを肘や手首の筋肉に注射し、24週間上肢のリハビリを行いつつ経過観察をしています。


結果ですが、有害事象の発生率に有意差はなかったです。注射4週後 Functional Motor Assessment Scaleに有意差はみられなかったもののMAS scoreは有意に改善がみられ、その有意差は観察期間中ずっと維持されたことです。

上肢機能に有意差がみられなかったのは残念ですが、脳卒中後早期にボツリヌス毒素注射とリハビリを併用することにより長期的な筋緊張コントロールが得られたとのことです。

2012/04/05

口腔ケアの認知機能維持効果

Kikutani T, Yoneyama T, Nishiwaki K, Tamura F, Yoshida M, Sasaki H: Effect of oral care on cognitive function in patients with dementia. Geriatr Gerontol Int. 10:327-328, 2010
口腔ケアは認知機能に良い影響を与えるでしょうか?これは口腔ケアが認知症患者の認知機能に与える影響を調べた報告です。
施設入所中の認知症患者さんを口腔ケア群(看護師等が毎食後5分くらいしっかり口腔ケアを行う)90人、通常ケア群(歯みがきを本人任せ)99人に分け、MMSEの点数を12ヶ月フォローしています。

ベースラインのMMSE点数に差はみられませんでしたが、6ヶ月と12ヶ月の時点においてMMSE点数の低下が口腔ケア群で有意に少なかったとの結果です。口腔ケアには認知症患者の認知機能低下を抑える効果があるのかもしれません。

2012/04/04

全失語の長期予後(25年のフォローアップ結果)

Neurorehabil Neural Repair. 2010 Nov-Dec;24(9):871-5. Epub 2010 Sep 9.How long is the recovery of global aphasia? Twenty-five years of follow-up in a patient with left hemisphere stroke.
全失語は予後が悪いイメージがありますが、長期的にはどれくらい良くなるのでしょうか?これは全失語の患者さんを25年!フォローしたとの報告です。

症例は37歳、男性、左MCA梗塞の全失語で、始めの2年間のみ言語リハを受けています。

始めの1年では言語理解と復唱が、1~3年では呼称と音読が良くなっています。その後も20年近く緩やかな改善がみられています。こんなに長期にわたって改善がみられるなんて、脳はすごいですね。症例報告ですがこのような知見こそみんなで共有すべきだと思いました。

2012/04/01

高齢者におけるタンパク摂取量と筋肉量との関係

Am J Clin Nutr. 2008 Jan;87(1):150-5.Dietary protein intake is associated with lean mass change in older, community-dwelling adults: the Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study.
タンパク質の摂取が高齢者の筋肉量維持にどれくらい寄与しているのかを検討した論文です。対象は70-79歳の健常人2066人。タンパク摂取量でQ1~Q5と5群に分けて(Q1が一番少なくて0.7g/kg、Q5が一番多くて1.1g/kg)DXA法で四肢筋肉量(aLM)の変化を3年フォローしています。

多変量解析(年齢、性別、人種、総エネルギー摂取量、身体活動量、併存疾患などは調節済み)の結果、タンパク摂取量の多い人の方が有意に筋肉量を維持できていた(Q5での筋肉量減少はQ1の40%)とのこと。

適度なタンパク摂取がサルコペニア予防になるかもしれないという報告でした。

神経医学関連誌のインパクトファクター(JCR2018)

LANCET NEUROLOGY 28.755 Nature Reviews Neurology 21.155 ACTA NEUROPATHOLOGICA 18.174 Alzheimers & D...