2011/04/30
過度な栄養摂取は酸化ストレスと炎症反応により動脈硬化を引き起こす
Primary and Secondary Prevention of Cardiovascular Diseases: A Practical Evidence-Based Approach. Mayo Clin Proc. 2009;84(8):741-757.
食事と酸化ストレスの関係を調べていて見つけた論文です。
これは酸化ストレスの指標であるNitrotyrosin、炎症反応の指標であるCRP、血管の柔軟性の指標であるFMDの変化と食事との関係をみた図です。食後、酸化ストレスが発生し、それと共に炎症反応が上昇、また同時に血管の柔軟性が低下しています。
人間、栄養摂取という行為自体で体内に炎症が生じるということ。「栄養ストレス→炎症→動脈硬化↑」という構図ですね。これは食後血糖値上昇にともない蛋白質と糖が結合する糖化(グリゲーション)に由来するもののようで、もちろん必要なカロリー摂取は必要なのですが過度に食べ過ぎると血管がさびちゃうよ、ということを示唆しているのでしょう。また耐糖能異常はある人は食事に気をつけないと寿命が縮みます、ということだと思います。重症患者において血糖値を低めにコントロールすることで予後が良くなることやカロリーリストリクションにアンチエイジング効果があることが報告されていますが、これがその根拠の一つかもしれません。
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