2010/12/28

認知症患者における自動車運転評価 ガイドライン


D.J. Iverson, D.J. Gronseth: Practice Parameter update: Evaluation and management of driving risk in dementia. Report of the Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology. Neurology: 2010; 74: 1316-1324.

最近、高次脳機能障害患者さんで自動車運転の可否を求められたことがありました。ぎりぎりアウトなんだよな、、、と思いつつ過去の報告を調べていたところこのアメリカ神経学会のガイドラインを見つけました。

運転危険な患者の発見に役立つものは
• The CDR scale (Level A)
• A caregiver’s rating of a patient’s driving ability as marginal or unsafe (Level B)
• A history of traffic citations (Level C)
• A history of crashes (Level C)
• Reduced driving mileage (Level C)
• Self-reported situational avoidance (Level C)
• MMSE scores of ≦24 (Level C)
• Aggressive or impulsive personality characteristics(Level C).

役に立たないものは
• A patient’s self-rating of safe driving ability(Level A)
• Lack of situational avoidance (Level C)


また評価方法のフローチャートして上記のものがあげられていました。

患者本人の申告は当てにならない(Level A)。 MMSE24点以下は危険とする報告もあるがなんとも言えない(Level C)。 あたりが参考になりました。 ただ脳卒中や脳外傷後の高次脳機能障害の患者さんに対しては通常の認知症と少し違う対応をしないといけないかな、と感じました。そのあたりのエビデンスの整理は今後の課題でしょうか。

2 件のコメント:

  1. これはエビデンスは不十分ながらもある程度、参考になりますね。認知症と高次脳機能障害で異なる対応が必要なのは同感です。

    返信削除
  2. 自動車運転の評価となると、東京都でもやってくれるところほとんどないです。一般通行人の命に係わる可能性もあるので判定も難しいのだとは思います。

    返信削除

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...