2012/01/29

粘度と量を段階的にあげて嚥下機能を評価:V-VST

Clin Nutr. 2008 Dec;27(6):806-15. Epub 2008 Sep 11.Accuracy of the volume-viscosity swallow test for clinical screening of oropharyngeal dysphagia and aspiration.
段階的にトロミ水を飲ませる嚥下機能評価法V-VST(volume-viscosity swallow test)の有用性を検証した論文です。
これがV-VSTの全貌です。ThickenUp (Spain)というトロミ剤を用い粘度の異なるトロミ水を作成、段階的に粘度と量を変えて嚥下してもらいムセ、呼吸変化、Satの低下の有無をチェックするやりかたです。(始めに295.02 mPa.sのトロミ水、次に21.61 mPa.sの水、最後に3682.21 mPa.sのプディング状のもの)

そして、それぞれのトロミ水に近似した粘度のガストログラフィンを作成、VF所見に対する感度、特異度などを算出しています。結果、V-VSTのVF誤嚥に対する感度は100%、特異度は28%でした。

V-VSTを使用した嚥下障害診療プロトコルも示されています。誤嚥に対する特異度が低いのは残念ですが、粘度と量を段階的にあげる手法と、造影剤も粘度をそろえ比較検討したところがすばらしいと思いました。また、Impaired Efficacyも評価可能なことと、このような論文が栄養系の雑誌に掲載されたことも注目すべき点だと思いました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...