2012/01/27

嚥下機能評価尺度Modified MASA(日本語訳)

J Stroke Cerebrovasc Dis. 2010;19:49-57.Analysis of a physician tool for evaluating dysphagia on an inpatient stroke unit: the modified Mann Assessment of Swallowing Ability.
MMASAは信頼性妥当性検証済みで世界的に使用されている嚥下機能評価尺度Mann Assessment of Swallowing Ability(MASA)のModified版です。この論文はMMASAの脳卒中後嚥下障害に対する有用性を検証した論文で最後に評価表がついていましたので、大雑把にですが日本語訳してみました。12項目、100点満点の尺度です。嚥下障害のスクリーニング、嚥下リハの定量的効果判定などに使えるのではと思います。(簡略化や意訳しているところもあります。参考程度にということで。)


Modified Mann Assessment of Swallowing Ability (MMASA)

1, 覚醒レベル(声かけ、四肢運動、痛み刺激への反応を観察)
10:覚醒している
8:傾眠傾向
5:声かけ、動きに対し覚醒を保つのが難しい
2:無反応

2, 従命動作(指示に従い会話や動作が可能か)
10:指示に従える
8:ムラがある
5:なんとか可能
2:不可能

3, 呼吸状態
10:問題なし
8:痰が出る、気管支炎、喘息、COPDあり
6:乾性ラ音あり、自己喀痰可能
4:湿性ラ音あり
2:呼吸器感染の疑い、吸引頻回、人口呼吸器

4, 運動性失語(言語的表出の障害程度を評価)
5:正常
4:軽度換語困難あり
3:短文・単語レベルの表出のみ
2:理解のできない発語のみ
1:評価不能

5, 感覚性失語(聴覚的理解の障害程度を評価)
10:正常
8:軽度障害あり
6:複雑な内容は困難で言い換えや複唱が必要
4:手がかりがあれば時々わかる
1:無反応

6, 構音障害(発音を評価)
5:正常
4:発話速度の低下あり
3:理解できるが抑揚などに明らかな障害あり
2:理解できない
1:評価不能


7, 唾液(口角の分泌物を評価)
5:正常
4:泡沫状の唾液が見られる、時に自己喀出している
3:会話、側臥位、疲労時等、時に流涎あり
2:常に軽度の流涎あり
1:流涎が多量でコントロールできない

8, 舌運動(前方、側方、上方に動かしてもらう)
10:可動域正常
8:可動域軽度制限あり
6:可動域不完全
4:少ししか動かない
2:動きなし

9, 舌筋力(舌圧子を前方側方から押しあて、押し返してもらう)
10:正常
8:少し弱い
5:一側だけ弱い
2:かなり弱い

10, 咽頭反射(左右の咽頭後壁を舌圧子でなぞる)
5:正常
4:両側で減弱あり
3:一側のみ減弱あり
2:両側で減弱あり
1:咽頭反射なし

11, 咳反射(できる限り強く随意咳嗽してもらう)
10:正常
8:かすれた咳が出る
5:咳の強さが不十分
2:咳ができない

12, 軟口蓋(アー、と言ってもらい開鼻声・軟口蓋挙上を観察)
10:正常
8:若干左右差あり
6:一側性に減弱みられ、挙上の維持が不十分
4:少ししか動かない、鼻咽頭逆流あり
2:挙上不能、または評価不能

MMASA SCORE=    /100

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