2012/01/22

消耗性疾患に対する蛋白同化ステロイドの有用性(REVIEW)

Drugs. 2004;64(7):725-50.The anabolic androgenic steroid oxandrolone in the treatment of wasting and catabolic disorders: review of efficacy and safety.
消耗性疾患に対する蛋白同化ステロイド(アナボリックステロイド)の有用性・安全性に関するレビューです。COPDや炎症性腸疾患などの消耗性疾患に対し蛋白同化ステロイドを使用したという44の論文をレビューしています。
有用性に関しては筋力増強効果、身体機能改善効果があり、特に慢性感染症や神経筋疾患に関するエビデンスは揃っているとのことが書かれています。
副作用に関してはもちろん長期間投与では出現率が上がっているようですが、通常用量・2,3ヶ月程度の使用に関しては副作用がみられなかったとする論文が多いです。

アメリカでは外傷・手術・感染後の体重減少や肝硬変による低栄養状態、筋ジストロフィーに蛋白同化ステロイドの使用が認められています。日本においてもプリモボラン(酢酸メテノロン)デカ-デュラボリン(デカン酸ナンドロロン)といった蛋白同化ステロイド剤があり、骨粗鬆症、再生不良性貧血、慢性腎疾患・悪性腫瘍・外傷・熱傷による消耗状態に使用が認められています。
消耗性の低栄養・筋力低下を認めるリハ患者に対しても、必要に応じ短期間(回復期入院中だけとか、外来でリハビリやってる間だけ)の使用は検討に値すると考えています。

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