Objectively measured physical capability levels and mortality: systematic review and meta-analysis. BMJ 2010
これまで身体機能と寿命との関連性に関するエビデンスは限られていました。これは身体機能が死亡率に直接影響を与えていることを明らかにしたBMJのメタアナリシスです。
physical capabilityとmortalityとを検討した論文: grip strength23つ, walking speed15つ, chair rising7つ, standing balance5つ を組み入れてメタ解析を行っています。
握力についてです。握力が高い方が有意に長生きしていました。
歩行速度についてです。歩行速度が早い方が有意に生命予後が良かったです。
起立能力についてです。起立速度が速いほうが有意に長生きしていました。
バランス能力についてです。これについては評価尺度がばらばらであったためメタ解析できなかったが、バランス低下と死亡率との関連性はありそうであった、とのことです。
まとめです。握力が低い群は高い群にくらべ死亡率が1.67倍、歩行速度が遅い群は速い群にくらべ死亡率が2.87倍、起立速度が遅い群は速い群にくらべ死亡率が1.96倍であったとの結論です。
(またfunnel plotsの結果、publication biasはなし。)
筋力、歩行能力、起立速度などは寿命を決定する独立因子であり、高齢者の生命予後予測に使える(useful tools for identifying older people at higher risk of death)と。また、これらの身体機能維持・向上を目的としたリハビリは寿命を延長させる魔法の弾丸になりえるかもとのことです。
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