2010/11/16

Sarcopenia: European consensus on definition and diagnosis: report of the European working group on sarcopenia in older people.

Sarcopenia: European consensus on definition and diagnosis: report of the European working group on sarcopenia in older people. Age Ageing 2010;39:412-23. サルコペニアの定義と診断、介入アウトカムについて立ち返って考えてみよう。ということで若林先生のHPでも紹介のあったサルコペニアのエッセンスのつまったこの論文読み直してみました。



 サルコペニアの診断には筋肉量の低下が必須である。それに加え筋力または身体機能の低下があること。


サルコペニアには加齢による一次的なものと、活動、疾患、栄養に関連する二次的なものがある。
(若林先生のよく言われる「広義のサルコペニア」とはこの全てをさしているようです。)

サルコペニアの診断に必要な筋肉量、筋力、身体機能の評価法の一覧。



サルコペニアのスクリーニング評価法

サルコペニアに対する介入アウトカムの一覧


筋肉量の測定はCTかMRIが簡単なのでしょうか。MRIとかで赤筋・白筋の低下比率がある程度わかったりして、あなたはNutrition-related sarcopeniaですねとか、Activity-related sarcopeniaですねとか、判別に使えたりすると面白そうですよね。そんなことできないか一度、体力医研の人に聞いてみようと思いました。
また、こちらのSARCOPENIA: another serious consequence to chronic illness, in the news という動画ではこのコンセンサス論文を紹介した後、Bio Impedance Analysisが手軽で良いのではとコメントされていました。DEXA法はぱっと導入できそうにないし、、、BIAについても調べてみます。


まとめ
サルコペニアの原因には加齢、活動、栄養、疾患(侵襲、悪液質、原疾患)がある。加齢に伴い筋肉量は低下する。廃用で筋萎縮が生じる。栄養的に飢餓の場合、筋肉が分解する。侵襲は手術、感染症などである。悪液質はがん、COPDなどで生じ筋肉が喪失する。原疾患には多発性筋炎、ALSなどがある。(若林先生のtwitterより引用)

2 件のコメント:

  1. どうもありがとうございます。広義のサルコペニアの定義は、その通りです。加齢によるものが狭義で、活動、栄養、疾患も含めたものが広義と説明しています。今週末のリハ科専門医会学会でも、このあたりの話が中心になります。
    身体計測に関しては確かにBIAが一番やりやすいと思います。それでもルーチンに行うのは簡単ではないので、私は臨床では上腕周囲長21cm以下、下腿周囲長31cm以下の方に関しては筋肉量低下と解釈しています。問題はそれ以上の方でもSarcopenic Obesityの可能性があることですね。研究ではBIAやDEXA、CT、MRIを使わないとお話にならないようです。

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  2. 先生のtwitter、勝手に引用させていただきました。うちのスタッフに本の宣伝しますのでそれでご勘弁を。広義のサルコペニアの定義、これですっきりしました。
    身体計測に関してはせっかくですのでBIA、CT、MRIあたりで何かできないか考えてみようと思っています。ありがとうございました。

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