2012/03/20

足が遅い人はさっさと退院できない

Arch Intern Med. 2012;172(4):353-358.Assessing Gait Speed in Acutely Ill Older Patients Admitted to an Acute Care for Elders Hospital Unit.
これは歩行速度と退院との関連性を検討したAIMの論文(前向き研究)です。
65歳以上の入院患者322人に対し入院時歩行速度を計測、在院日数との関連性を検討しています。

322人のうち116人は歩行速度を測定できなかった。歩行速度(m/秒)は0.40<(低速群)が69人、0.40~0.59(中速群)が65人、0.6<(高速群)が72人であった。歩行速度と入院期間、自宅退院率には強い関連性が見受けられた。

多変量解析を行ったところ、低速群では高速群に比べ有意な入院日数の増加と自宅退院率の低下を認めた。入院時歩行速度は入院期間や自宅退院率の予測に使えそう、とのことです。

施設内での実用的な歩行速度は0.5m/秒以上との報告もありますし、自宅退院に支障が出るかでないかの歩行速度が0.4-0.6m/sくらいというのは臨床的にも非常に納得できる値です。ちなみに実用的な屋外歩行速度は1m/秒(日本の信号は1秒間に1m以上歩ければ渡りきれるよう設定されているため)以上と考えています。

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