虚弱(Frailty)は近い将来、健康やADLに障害を起こす可能性の高い高齢者を抽出するために考え出された概念で「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が増し、Adverse Health Outcome(障害、施設入所、死亡)を起こしやすい状態」と理解されています。虚弱の定義としてはFriedらがこの論文で提唱したものが最も有名で、今回ご紹介したいと思います。
①Shrinking(縮み)→体重減少
②Weakness(弱さ)→握力
③Exhaustion(易疲労)→自己評価
④Slowness(緩慢さ)→歩行速度
⑤Low Activity(低活動)→消費カロリー
の5つをそれぞれ評価し、3つ以上ひっかかればFrailty、1、2つならPre-Frailとみなすとのことです。
こちらは細かな判定法です。易疲労はCES–D Depression Scaleを、活動性はMinnesota Leisure Time Activity questionnaireを用い評価すると書いてあります。この判定基準が日本人にもそのまま使えるかどうかは検証が必要と思われます。
こちらは虚弱サイクルという各症候の悪循環を表した図で低栄養、体重減少、疾患、加齢によってもたらされるサルコペニアがその中心的な病態像として位置づけられています。
虚弱はサルコペニアと類似点の多い概念ですが、評価という面では筋肉量測定が必須でないところが一番大きな違いだと思います。
現在、台湾でInternational Conference on Frailty Research 2011 開催中、、、行きたかったです。
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