2011/12/28
ブログアクセスランキング2011
今年も、もう終わりですね。おかげさまで当ブログのアクセス数もトータルで8万件を突破しました。というわけで、ブログの統計をちょっと振り返ってみたいと思います。
過去のアクセスランキングです。
1位:中枢性塩類喪失症候群Cerebral salt-wasting syndrome(CSWS)1873ビュー
なぜこれが常に上位なのかよくわかりませんが、あまりCSWSの情報がネット上に上がってないので検索した人がみんなここに流れてくるのかと(笑) 最近MRHE(Mineralcorticoid Responsive Hyponatremia of the Elderly;老人性鉱質コルチコイド反応性低Na血症)も注目されていますね。
2位:カロリーリストリクション:1751ビュー
有名なアカゲザルの研究ですね。アンチエイジングの手法の中で、最も科学的な根拠のそろった介入法だと思います。
3位:急性期に高頻度CIは逆効果:838ビュー
これまで量が重視されてきた脳卒中リハの流れに一石投じるような論文です。考えさせられますね。
国別のベージビューです。アメリカやカナダからも見て頂いています。ありがとうございます。
来年も面白い論文など見つけていきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。
2011/12/27
サプリメントと生命予後との関連性
Arch Intern Med. 2011 10;171:1625-33.Dietary supplements and mortality rate in older women: the Iowa Women's Health Study.
サプリメントは本当に健康に良いのでしょうか。これは平均年齢61歳の高齢女性38772人のサプリメント使用状況と死亡率との関連性をフォロー検討したArch Intern Medの報告です。フォロー期間中に15594人(40.2%) が亡くなっています。
サプリメントは本当に健康に良いのでしょうか。これは平均年齢61歳の高齢女性38772人のサプリメント使用状況と死亡率との関連性をフォロー検討したArch Intern Medの報告です。フォロー期間中に15594人(40.2%) が亡くなっています。
結果です。サプリメントの使用状況と死亡率との関係を多変量解析したところマルチビタミンで1.06倍、ビタミンB6で1.1倍、葉酸で1.15倍、鉄で1.1倍、マグネシウムで10.8倍、亜鉛で1.08倍、銅で1.45倍、有意な死亡率増加がみられた(カルシウムだけは0.91倍有意な死亡率低下がみられた)との結論です。
全ての交絡因子が調整しきれていないとも思われますが、大概のサプリメントは健康にそれほど有益ではないという結果でした。
2011/12/17
死神から逃げ切るのに必要な歩行速度は?
今年のBMJクリスマス論文で、死神から逃げるのに必要な歩行速度をもとめた論文です。70歳以上の1705人の男性の歩行速度と死亡率との関係性を検討、死神に追いつかれたかどうか(死亡したかどうか)に対する歩行速度のカットオフポイントをROC解析にて算出しています。
結果ですが歩行速度0.82m/sがもっとも死亡に対する弁別率が高く、0.82m/s以上の者は以下の者に比べ1.23倍生存能が高かったとのこと。さらに1.36m/s以上の者で死神に追いつかれた人はいなかったとの報告です。
歩行速度と死亡率に関係があることはJAMAにも報告があります。死神に追いつかれないためには0.82m/s以上の速度があることが望ましく、確実に逃げ切るには1.36m/s以上が必要とのこと。
*0.82m/sがサルコペニアの診断基準にある0.8m/sに酷似しているとコメントいただきました。サルコペニアになることは死神の射程距離に入ることでもあるのかもしれません。
結果ですが歩行速度0.82m/sがもっとも死亡に対する弁別率が高く、0.82m/s以上の者は以下の者に比べ1.23倍生存能が高かったとのこと。さらに1.36m/s以上の者で死神に追いつかれた人はいなかったとの報告です。
歩行速度と死亡率に関係があることはJAMAにも報告があります。死神に追いつかれないためには0.82m/s以上の速度があることが望ましく、確実に逃げ切るには1.36m/s以上が必要とのこと。
*0.82m/sがサルコペニアの診断基準にある0.8m/sに酷似しているとコメントいただきました。サルコペニアになることは死神の射程距離に入ることでもあるのかもしれません。
2011/12/11
日本の胃瘻患者の2年生存率は50%くらい
World J Gastroenterol. 2010 Oct 28;16(40):5084-91.Survival of geriatric patients after percutaneous endoscopic gastrostomy in Japan.
日本における胃瘻患者の生命予後はどのくらいでしょうか。この研究は65歳以上のPEG患者931人を約468日フォローしたという報告です。
50%の患者は753日生きていた。28人の胃瘻は抜去されていた。
死因の59%は肺炎だった。8人の死は胃瘻に関係するものと思われ、低Alb血症と関連がみられた。
多変量解析の結果、予後不良因子としては高齢(HR:1.02)、CRP高値(HR:1.04)、BUN高値(HR:1.01)があげられ、予後良好因子としては高Alb血症(HR:0.67)、女性(HR:0.6)、虚血性心疾患既往の無さ(HR:0.69)があげられた。
ケアの充実した日本においてもPEG患者の2年生存率は50%くらいであったとのこと。皆さんはこれを長いと思われるでしょうか?短いと思われるでしょうか?
日本における胃瘻患者の生命予後はどのくらいでしょうか。この研究は65歳以上のPEG患者931人を約468日フォローしたという報告です。
胃瘻増設の原疾患としては脳卒中や認知症が多かった。
50%の患者は753日生きていた。28人の胃瘻は抜去されていた。
死因の59%は肺炎だった。8人の死は胃瘻に関係するものと思われ、低Alb血症と関連がみられた。
多変量解析の結果、予後不良因子としては高齢(HR:1.02)、CRP高値(HR:1.04)、BUN高値(HR:1.01)があげられ、予後良好因子としては高Alb血症(HR:0.67)、女性(HR:0.6)、虚血性心疾患既往の無さ(HR:0.69)があげられた。
ケアの充実した日本においてもPEG患者の2年生存率は50%くらいであったとのこと。皆さんはこれを長いと思われるでしょうか?短いと思われるでしょうか?
2011/12/06
第1回日本リハビリテーション栄養研究会に参加して
2011/12/3、横浜にて「リハ栄養-栄養ケアがリハを変える」をテーマに第1回日本リハビリテーション栄養研究会(Japanese Association of Rehabilitation Nutrition:JARN)が開催されました。参加申し込みはFacebook上で行われ先着150人でしたが、申し込み開始10日で締め切られるほどの人気でした。また参加申し込みが間に合わなかった会員のために今回の研究会はすべてUstreamで生中継が行われました。研究会員は480人、会員数のベスト5は理学療法士135人、言語聴覚士76人、管理栄養士70人、医師59人、歯科医師40人の順でした。
受付時、参加者全員にリハ栄養の新刊「リハビリテーション栄養ケーススタディ」が配られました。まず、研究会会長で今回の当番世話人である横浜市立大学リハ科・若林秀隆先生の開会挨拶で研究会は幕を開けました。午前中の一般演題では理学療法士から演題が4つ発表されました。一部文字化けなどのトラブルもみられましたが、どの演題も臨床現場からのリハ栄養に関するメッセージが詰まっていました。
ランチョンセミナーでは研究会副会長である札幌西円山病院・歯科の藤本篤士先生より「リハ栄養と口腔機能」というテーマでお話がありました。口腔ケアや食形態が生命予後に与える影響についてのお話は目から鱗でした。
午後のパネルディスカッションは「リハ栄養とNST専門療法士」と題され、8職種のNST専門療法士が職場の制服に身を包み、各職種の立場からみたリハ栄養について生の声が聞かれました。また実際に参加できなかった会員もオンラインで参加ができたため、Facebook経由での質疑も行われました。
その後、全国10支部(北海道、東北、関東、群馬・信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州)ごとに顔合わせが行われ、各支部におけるリハ栄養セミナーの企画検討・日時決定が行われました。事前にFacebook上でお互い顔のみえる関係であったため、直接会うのは初めての会員が多かったとはいえ、とてもそうは思えない一体感を感じました。
最後に若林先生より「リハ栄養の過去、現在、未来」と題された講演が行われました。研究会の参加にはFacebookの「リハ栄養研究会」のグループ参加が必須(詳細は日本リハビリテーション栄養研究会ホームページ)であり、入会費・年会費無料であること、クラウドの活用、ファシリテーションやワークショップ、研究活動を重視することなど研究会の方向性についてお話がされた。そして「No Venture, No Glory」の言葉と少しの無茶振りを最後に第1回のリハ栄養研究会が無事に幕を閉じました。
研究会の終わったあともUstreamの録画で復習できたり、Facebook上での交流が行われたりとオンラインでも引き続き盛り上がりをみせていました。今後の活動の中心は年1回の合宿・研究会・各支部でのセミナーの三部構成です。第2回リハ栄養合宿は2012/6/9-10銀座で、第2回日本リハビリテーション栄養研究会は、愛生会山科病院の荒金英樹先生が当番世話人となり2012/11/24京都で開催予定です。また全国10支部でリハ栄養セミナー開催も決定されました。今回の研究会で「栄養ケアなくしてリハなし」であることを再確認しました。今後リハ栄養に関する学会演題も増えていくものと思われます。会場の準備や運営に御尽力頂いたコアスタッフの方々、本当にお疲れ様でした!
受付時、参加者全員にリハ栄養の新刊「リハビリテーション栄養ケーススタディ」が配られました。まず、研究会会長で今回の当番世話人である横浜市立大学リハ科・若林秀隆先生の開会挨拶で研究会は幕を開けました。午前中の一般演題では理学療法士から演題が4つ発表されました。一部文字化けなどのトラブルもみられましたが、どの演題も臨床現場からのリハ栄養に関するメッセージが詰まっていました。
ランチョンセミナーでは研究会副会長である札幌西円山病院・歯科の藤本篤士先生より「リハ栄養と口腔機能」というテーマでお話がありました。口腔ケアや食形態が生命予後に与える影響についてのお話は目から鱗でした。
午後のパネルディスカッションは「リハ栄養とNST専門療法士」と題され、8職種のNST専門療法士が職場の制服に身を包み、各職種の立場からみたリハ栄養について生の声が聞かれました。また実際に参加できなかった会員もオンラインで参加ができたため、Facebook経由での質疑も行われました。
その後、全国10支部(北海道、東北、関東、群馬・信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州)ごとに顔合わせが行われ、各支部におけるリハ栄養セミナーの企画検討・日時決定が行われました。事前にFacebook上でお互い顔のみえる関係であったため、直接会うのは初めての会員が多かったとはいえ、とてもそうは思えない一体感を感じました。
最後に若林先生より「リハ栄養の過去、現在、未来」と題された講演が行われました。研究会の参加にはFacebookの「リハ栄養研究会」のグループ参加が必須(詳細は日本リハビリテーション栄養研究会ホームページ)であり、入会費・年会費無料であること、クラウドの活用、ファシリテーションやワークショップ、研究活動を重視することなど研究会の方向性についてお話がされた。そして「No Venture, No Glory」の言葉と少しの無茶振りを最後に第1回のリハ栄養研究会が無事に幕を閉じました。
研究会の終わったあともUstreamの録画で復習できたり、Facebook上での交流が行われたりとオンラインでも引き続き盛り上がりをみせていました。今後の活動の中心は年1回の合宿・研究会・各支部でのセミナーの三部構成です。第2回リハ栄養合宿は2012/6/9-10銀座で、第2回日本リハビリテーション栄養研究会は、愛生会山科病院の荒金英樹先生が当番世話人となり2012/11/24京都で開催予定です。また全国10支部でリハ栄養セミナー開催も決定されました。今回の研究会で「栄養ケアなくしてリハなし」であることを再確認しました。今後リハ栄養に関する学会演題も増えていくものと思われます。会場の準備や運営に御尽力頂いたコアスタッフの方々、本当にお疲れ様でした!
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