2012/07/08

簡便な虚弱評価尺度SOF Frailty Indexは十分使える

Arch Intern Med. 2008 Feb 25;168(4):382-9.Comparison of 2 frailty indexes for prediction of falls, disability, fractures, and death in older women.
Frailty評価尺度は複雑で臨床現場では使いづらい物が多いです。これは簡便なFrailty尺度:SOF Frailty Indexの有用性を6701人の高齢女性を対象に検証したArch Intern Medの前向きコホート研究です。
ベースラインのSOF Frailty Indexはその後の転倒、骨折、IADL低下、死亡の予測に有用であったし、その予測能力を複雑なFrailty尺度であるCHS Frailty Indexと比較しても、遜色なかったとの結果です。

SOF Frailty Indexは
①過去2年間で5%以上の予期せぬ体重減少あり 
②つかまらずに5回以上椅子から立ち上がれない 
③「自分が活気にあふれていると思いますか」という質問に「いいえ」と回答 
の3つから成り、1つでprefrail、2つ以上でFrailtyと判定する非常に簡単な評価尺度です。

男性に対する検討も論文化されており、ほぼ同様の結果です。簡便なSOF Frailty IndexはFrailty評価に十分使えるとのことです。

2012/07/07

嚥下調整食の栄養状態改善効果

J Am Diet Assoc. 2006;106:1614-23. A novel dysphagia diet improves the nutrient intake of institutionalized elders.
嚥下調整食が栄養状態を改善させるとの報告です。

65歳以上の施設入所者93人の中から低体重+嚥下障害者17人をセレクトして2群にわけ、介入群には新たに検討されたミンチ状orペースト状の食事を、対照群にはこれまで通りの食事を提供し12週間観察した。

結果、介入群において栄養摂取状況と体重増加に有意な改善がみられたとのことです。

嚥下機能に合わせた食形態の選択が栄養状態改善に寄与したとのこと。嚥下調整食が栄養状態を有意に改善させたとの比較臨床試験、他にないと思いましたので紹介させていただきました。

2012/06/19

ループ型NGチューブが栄養補給効率を向上させる

Age Ageing. 2010:624-30. Does looped nasogastric tube feeding improve nutritional delivery for patients with dysphagia after acute stroke? A randomised controlled trial.
固定性の良いlooped nasogastric tube(looped NGT:ループ型NGチューブ)が脳卒中後嚥下障害患者の栄養補給効率を向上させるかどうか検討したRCTです。


104人の経管栄養患者をlooped NGT群と従来のNGT群にわけ、栄養補給がしっかりなされたかどうか比較しています。

結果です。looped NGTの方がややコストがかかり鼻に傷ができやすいということもあったが、栄養補給効率が17%くらい良かったし電解質異常も少なかった。(3ヵ月後の嚥下機能に関しては2群間で有意差なし。)looped NGTはズレにくく、その使用によりチューブ再挿入の頻度も軽減、栄養補給効率が改善されたとのことです。

looped NGTにはAMT Bridleのチューブを使用したとのこと、一度使ってみたいです。

バルーン訓練手法による経口摂取改善効果の違い

Dysphagia. 2012. The Effect of Different Catheter Balloon Dilatation Modes on Cricopharyngeal Dysfunction in Patients with Dysphagia.
輪状咽頭筋弛緩不全(CPD)患者に対するバルーン訓練効果を訓練手技の違いにより比較した報告です。

CPD患者21人にactive balloon dilatationを、17人にpassive balloon dilatationを毎日30分・週5日・4週間やってもらいその効果を比較しています。

両群ともにCPDの改善がみられたがactive balloon dilatationの方が機能的経口摂取スケール(FOIS)の改善が良かった(p=0.028)

passiveは単純に引き抜くやり方で、activeは努力嚥下とともに引き抜く手法であったと。バルーン訓練の際には努力嚥下を付加したほうがbetterみたいとのことです。

2012/06/15

Water Protocolの安全性、飲水量・QOL改善効果

Dysphagia. 2011 Sep 18. Outcomes of a Pilot Water Protocol Project in a Rehabilitation Setting.
口腔ケアが十分であれば食間の飲水にとろみ剤は不要とするウォータープロトコルの安全性や有用性ついて検討した論文です。
水分誤嚥にてとろみ剤を必要としている嚥下障害患者15人を対象にWater Protocol Algorithmを適応し食間の飲水に関してはトロミなしとしています。
全身状態がおちついていることや口腔汚染が無いことが前提とのこと。

注意事項として口腔ケアをしっかりすることや食事中や内服時の飲水にはトロミをつけることなどが書いてあります。

プロトコルを適応したところ飲水量が有意に増加、嚥下障害QOL尺度であるSWAL-QOLも有意に改善、肺炎などの有害事象は見られなかったとの報告です。ウォータープロトコルは安全に実施可能であり、脱水やQOLの改善に寄与しうるとのことです。

嚥下障害介入研究のアウトカムは肺炎や経口摂取、嚥下障害そのものとすることが多いですが、脱水やQOLをアウトカムとするのもいいですね。

2012/06/10

脳移行型ACE阻害薬の認知症予防効果

Arch Intern Med. 2009 Jul 13;169(13):1195-202.Angiotensin-converting enzyme inhibitors and cognitive decline in older adults with hypertension: results from the Cardiovascular Health Study.
脳移行型ACE阻害薬には、認知症予防効果がありそうとのお話です。
75歳くらいの1054人を約6年フォローしたところ158人が認知症を発症。

脳移行型ACE阻害薬使用者は他の高圧薬使用者に比べModified Mini-Mental State Examinationの悪化が有意に抑制されたとの結果です。

脳移行型にはcaptopril, fosinopril, lisinopril, perindopril, ramipril, trandolaprilなどが、非移行型にはbenazepril, enalapril, moexipril, quinaprilなどがあります。

脳移行型ACE阻害薬を使用しているかどうかによって高次脳機能障害やリハのアウトカム改善率に違いがあるかもしれません。

2012/05/28

筋力増強、ロイシンだけではだめみたい

Am J Clin Nutr. 2009;89:1468-75.Long-term leucine supplementation does not increase muscle mass or strength in healthy elderly men.
アミノ酸には筋力増強効果があるとされており、中でもロイシンが最も効果があるのではないかと言われています。これはロイシン単独で筋力増強効果がみられるかどうかを検証した報告です。

70歳くらいの高齢者30人を2群にわけ、ロイシン群ではロイシンを1日トータル7.5g、非ロイシン群ではプラセボを食事と共に摂取、3か月後の下肢筋力・体組成・下肢筋断面積の変化を比較検討した。

結果ですが、膝伸展筋力に有意差はみられず体組成や下肢筋断面積にも有意差なしとのことです。

有意な筋力増強や筋量UPのためにはロイシンだけでは不十分で、その他の栄養や運動の併用が必要そうです。

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