2012/08/05

加速度計を用いた嚥下障害スクリーニング

Noninvasive Detection of Thin-Liquid Aspiration Using Dual-Axis Swallowing Accelerometry.Steele CM, Sejdić E, Chau T.Dysphagia. 2012 Jul 28.
加速度計を用いた嚥下障害スクリーニングについての報告です。
嚥下障害者40人を対象にVFでの誤嚥に対する加速度計検査の検出力を検討しています。

加速度計のセンサーは図のように頚部前面に貼り付けています。

加速度計検査による誤嚥の判定方法に関しては専門的な記載が多くはっきり読み取れなかったのですが、VF誤嚥に対する感度は90%、特異度は77%ということで十分使えそうとの結果です。最近リハの色々な場面で登場する加速度計ですが、嚥下障害のスクリーニングにも使えるとは驚きました。

2012/08/04

AGE(糖化最終産物)と筋力低下との関係性

Dalal M et al.Elevated serum advanced glycation end products and poor grip strength in older community-dwelling women.J Gerontol A Biol Sci Med Sci 64.132-137,2009.
タンパク質のグリゲーション(糖化)により生じる糖化最終産物(advanced glycation end products:AGE)を介した糖化ストレスは、加齢関連疾患の大きなリスクであるとされています。これはAGEと筋力との関係をみた研究です。

65歳以上の高齢女性559人の握力とAGEの一種であるcarboxymethyl-lysine (CML)の血中濃度との関連性を検討しています。

多変量解析の結果、CMLが高い人は低い人に比べ有意に握力が弱かったとのこと。AGEと筋力低下には関連性があり、糖化予防はサルコペニア予防にも有用かもしれません。

AGEは血糖値が高い状態で作られやすいため、抗糖化対策としては血糖値があがりにくい食物の選択や食べ方が重要です。
具体的な対策としては①血糖値のあがりにくい食品を選ぶ②糖化した食品を摂取しない③炭水化物は最後に摂取する④糖質は食物繊維やたんぱく質が豊富な食品と一緒に摂る、などです。

血糖値のあがりにくいGI値の低い炭水化物としては玄米、雑穀、蕎麦、精製されていないパンやパスタなど、またAGEを多く含む食品として肉や魚の焦げ、焼き菓子、揚げ物、ハムなどの加工食品があげられます。
それにしても筋肉のエイジングを促進させる物質がAGEとは洒落がきいていますね。

2012/07/18

一人御飯の人はうつ傾向が強く、QOLも低い

Y. Kimura, T. Wada, K. Okumiya, Y. Ishimoto, E. Fukutomi, Y. Kasahara, W. Chen, R. Sakamoto, M. Fujisawa and K. Otsuka, et al.Eating alone among community-dwelling Japanese elderly: Association with depression and food diversity.The Journal of Nutrition, Health & Aging 2012
高齢日本人を対象に、一人御飯と体重・うつ傾向・QOLとの関連性を検討した興味深い報告です。

65歳以上の土佐市民856人を対象に横断研究を行った結果、33%が一人で御飯を食べていた。一人で御飯を食べていた方はBMIが低く、うつ傾向が高く、QOLも低かった。

 “eating alone”より“eating together” 着眼点が素晴らしいと思います。御飯はみんなで食べましょう、との結論、大賛成です。

2012/07/14

情報処理能力低下に対するタイムプレッシャーマネジメントの効果

Arch Phys Med Rehabil. 2009;90:1672-9.Efficacy of time pressure management in stroke patients with slowed information processing: a randomized controlled trial.
情報処理能力低下に対するタイムプレッシャーマネジメント:Time Pressure Management(TPM)の有用性を検討したRCTです。
情報処理能力が低下している脳卒中患者37人をTPM群と対照群にわけ、TPM群にはTPM strategyを合計10時間かけて教えこんだ。

3ヶ月後の評価結果です。TPM群ではMental Slowness Observation Testにおける遂行速度が有意に向上したとの報告です。

TPM Strategyの基本は“let me give myself enough time”ということで、自分の情報処理能力を自覚してもらった上で、焦らず着実に効率良く遂行するやり方を、実生活の中で活用できるよう教育するようです。

Hourglass

2012/07/08

簡便な虚弱評価尺度SOF Frailty Indexは十分使える

Arch Intern Med. 2008 Feb 25;168(4):382-9.Comparison of 2 frailty indexes for prediction of falls, disability, fractures, and death in older women.
Frailty評価尺度は複雑で臨床現場では使いづらい物が多いです。これは簡便なFrailty尺度:SOF Frailty Indexの有用性を6701人の高齢女性を対象に検証したArch Intern Medの前向きコホート研究です。
ベースラインのSOF Frailty Indexはその後の転倒、骨折、IADL低下、死亡の予測に有用であったし、その予測能力を複雑なFrailty尺度であるCHS Frailty Indexと比較しても、遜色なかったとの結果です。

SOF Frailty Indexは
①過去2年間で5%以上の予期せぬ体重減少あり 
②つかまらずに5回以上椅子から立ち上がれない 
③「自分が活気にあふれていると思いますか」という質問に「いいえ」と回答 
の3つから成り、1つでprefrail、2つ以上でFrailtyと判定する非常に簡単な評価尺度です。

男性に対する検討も論文化されており、ほぼ同様の結果です。簡便なSOF Frailty IndexはFrailty評価に十分使えるとのことです。

2012/07/07

嚥下調整食の栄養状態改善効果

J Am Diet Assoc. 2006;106:1614-23. A novel dysphagia diet improves the nutrient intake of institutionalized elders.
嚥下調整食が栄養状態を改善させるとの報告です。

65歳以上の施設入所者93人の中から低体重+嚥下障害者17人をセレクトして2群にわけ、介入群には新たに検討されたミンチ状orペースト状の食事を、対照群にはこれまで通りの食事を提供し12週間観察した。

結果、介入群において栄養摂取状況と体重増加に有意な改善がみられたとのことです。

嚥下機能に合わせた食形態の選択が栄養状態改善に寄与したとのこと。嚥下調整食が栄養状態を有意に改善させたとの比較臨床試験、他にないと思いましたので紹介させていただきました。

2012/06/19

ループ型NGチューブが栄養補給効率を向上させる

Age Ageing. 2010:624-30. Does looped nasogastric tube feeding improve nutritional delivery for patients with dysphagia after acute stroke? A randomised controlled trial.
固定性の良いlooped nasogastric tube(looped NGT:ループ型NGチューブ)が脳卒中後嚥下障害患者の栄養補給効率を向上させるかどうか検討したRCTです。


104人の経管栄養患者をlooped NGT群と従来のNGT群にわけ、栄養補給がしっかりなされたかどうか比較しています。

結果です。looped NGTの方がややコストがかかり鼻に傷ができやすいということもあったが、栄養補給効率が17%くらい良かったし電解質異常も少なかった。(3ヵ月後の嚥下機能に関しては2群間で有意差なし。)looped NGTはズレにくく、その使用によりチューブ再挿入の頻度も軽減、栄養補給効率が改善されたとのことです。

looped NGTにはAMT Bridleのチューブを使用したとのこと、一度使ってみたいです。

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...