2017/02/25

退院調整すれば、本当に早く退院できるの?

最近、高齢入院患者が多く、なかなか退院できない人も多いです。そこでいろいろと退院調整をするのですが、退院調整すると本当に早く退院できるのでしょうか?


Gonçalves-Bradley DC, et al. Discharge planning from hospital. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Jan 27;(1):CD000313. 文献を調べていたところ、退院計画が早期退院に与える影響を調べたコクランレビューが見つかったので読んでみました。コクランレビューとは世界中のあらゆる健康情報を網羅的に収集し、結果をまとめたものです。

CENTRAL,MEDLINE,EMBASE,CINAHL,Social Science Citation Index,ClinicalTrials.govといった文献データベースをつかって「あらゆる病気を対象に、退院計画立案(個別のアセスメントに基づいて退院計画を立てること)が、在院日数に与える影響を検討しているランダム化比較試験」を網羅的に検索しています。

検索の結果、19の論文が抽出されました。それぞれの研究が間違ったことを述べてしまっているリスクを評価した結果です。
赤が多いと間違った内容を結論づけてしまっているリスクが高い(情報の質が低い)です。あまり赤は目立たないですね。

こちらの図の一番下のTotalのところにある菱形が利用可能な研究をすべて統合した結果です。真ん中の線と重ならず左によっていますね。これは退院計画が在院日数を退縮させたことを意味しています。

こちらが最終的な情報のまとめです。退院計画によって在院日数がだいたい5~12日減少する、そしてその情報の質は中ぐらいとのことです。
ちなみに費用に関してはなんとも言えない結果であったのと、退院計画によって大きな問題が起こるようなことはなかったとのことです。

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