2015/05/02

脳卒中急性期リハ患者に対するリハ科専門医の効果

Clinical Management Provided by Board-Certificated Physiatrists in Early Rehabilitation Is a Significant Determinant of Functional Improvement in Acute Stroke Patients: A Retrospective Analysis of Japan Rehabilitation Database. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2015 Mar 23
リハ科専門医の関わりが脳卒中急性期リハ患者の機能改善に寄与しているかどうかを検討した論文です。

日本リハデータベースより3838人の脳卒中急性期リハ患者を抽出、主治医がリハ専門医を有しているかどうかでFIM effectiveness(ADLの改善度合い)を比較しています。

全体の21%の患者の主治医はリハ科専門医を有していた。

施設ごとのデータのクラスタリングは一般化推定方程式を用いて補正、多変量解析の結果、主治医がリハ科専門医であった患者はそうでなかった患者に比べFIM effectivenessが有意に大きかった。

リハ科専門医を有する医師が脳卒中急性期リハ患者の主治医として関わることが機能改善に寄与していそうだ、とのことです。

リハ科専門医はかなり不足しているのが現状です。日本のリハ医療の質を向上させるためにも、今後より多くのリハ科専門医が必要と考えます。

2015/04/30

脳卒中リハ患者に対する下肢装具の機能改善効果

Effects of Ankle-Foot Orthoses on Functional Recovery after Stroke: A Propensity Score Analysis Based on Japan Rehabilitation Database. PLoS One. 2015;10:e0122688.
下肢装具は脳卒中リハ患者においてもよく使用されていますが、訓練の中で下肢装具を使用することによる機能改善効果については、実は明らかなエビデンスがありません。これは脳卒中リハ患者に対する下肢装具療法の機能改善効果を検討した研究です。

日本リハデータベースから下肢麻痺のある1862人のデータをもとに傾向スコア解析を行っています。年齢、性別、下肢麻痺の重症度、元々の障害の有無などなどの情報から装具が処方されるか否かの傾向スコアを推定、このスコアを用いたマッチングと逆数重み付けの手法にてバックグラウンドのバランスをとり、退院時FIMなどを比較しています。

傾向スコアマッチングにて、バックグラウンドのそろった比較可能な装具群と非装具群が作成されています。

マッチング後、退院時FIM、FIM利得、FIM効率は装具群の方が非装具群にくらべ大きかった。
これは逆数重み付けでも同様の結果であった。
下肢装具療法には脳卒中リハ患者の機能改善効果がありそうとのことです。

脳卒中下肢装具療法のようにすでに臨床現場で広く使用されているものに関しては、エビデンスがないからといって今さらRCTをやるには倫理的な問題が大きいです。
大規模データベースと統計学的因果推論の手法を用いれば、RCTの実施困難な問題も扱えるという良い例かと思います。

2014/12/14

早期リハは誤嚥性肺炎患者の死亡率を下げる?

Effect of Early Rehabilitation by Physical Therapists on In-hospital Mortality after Aspiration Pneumonia in the Elderly. Arch Phys Med Rehabil. 2014 Oct 6.
高齢誤嚥性肺炎患者に対する早期リハの死亡率減少効果を検討した論文です。

日本のDPCデータセットから約7万人の高齢誤嚥性肺炎患者を抽出、早期リハ実施群と非リハ実施群の30日以内死亡率を比較しています。

病院ごとのデータのクラスタリングは一般化推定方程式(GEE)を用いて補正し、多重ロジスティック回帰分析をしたところ、早期リハ実施群は非リハ実施群に比べオッズ比で0.71倍死亡率が有意に少なかった。

サブグループ解析の結果では特に重症肺炎患者に有意な結果であった。

さらに未測定の交絡因子等を諸々調節するために操作変数法(Instrumental Variable Analysis)も追加してみたところ、これまた同様に死亡率減少効果が認められたとのことです。

リハの死亡率減少効果に関する論文はあまりないので、こういう報告も重要ですね。

2014/11/16

男性ホルモンと脳卒中後回復との関係性

Effects of testosterone levels on functional recovery with rehabilitation in stroke patients. Neurol Med Chir 2014;54:794-8.
男性ホルモンと脳卒中患者の機能回復との関連性を調べた論文です。脳卒中で入院した男性リハ患者に限定して、入院時の血中フリーテストステロン濃度とFIMの改善度合いを見ています。

入院時FIM、退院時FIM、FIMの変化量とフリーテストステロン濃度との間に関連あり。

多変量解析でもフリーテストステロンと退院時FIMとの間には有意な関連性がみられたとのことです。

男性ホルモンが多いとやる気もあってリハも進みやすいのかもしれません。男性ホルモン濃度が低下しているリハ患者に、男性ホルモンを補充するとどうなるのかな?と興味があります。

嚥下障害に対する両側経頭蓋磁気刺激+嚥下リハ

Bilateral repetitive transcranial magnetic stimulation combined with intensive swallowing rehabilitation for chronic stroke Dysphagia: a case series study. Case Rep Neurol. 2014;6:60-7.
脳卒中後嚥下障害に対し両側rTMS+嚥下リハをやってみたとの報告です。

1週間の入院にて午前午後の2回に分けて、rTMS+嚥下リハをやってます。

rTMSは咽頭部のMEP(カテーテル電極を用いて)が最大になる左右の大脳領域に交互刺激をしたとのこと。

結果、いくつかの嚥下機能評価尺度において改善がみられたとのことです。rTMSとリハ、最近注目されています。

のどを直接磁気刺激すると嚥下機能が良くなる?

Functional Magnetic Stimulation Using a Parabolic Coil for Dysphagia After Stroke. Neuromodulation. 2013 Dec 9.
最近嚥下障害に対する経頭蓋磁気刺激(rTMS)の論文が出ていますが、こちらはのどを直接磁気刺激すると良いのでは?との報告です。

脳卒中後嚥下障害者を対象にのどに機能的磁気刺激(Functional Magnetic Stimulation:FMS)を実施、前後で水飲み速度などを評価しています。

結果、Real刺激群はSham刺激群に比較して、水飲み速度と飲水時の一口量が有意に向上したとの結果です。

機能的磁気刺激は電気刺激よりも痛みなく深部を刺激できるし、rTMSよりも安全だし良い方法では?とのことです。

トロミ水を使ってミキサー食が食べられるかどうか判定する

Applicability of the two-step thickened water test in patients with poststroke dysphagia: a novel assessment tool for paste food aspiration. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2013;22:817-21.
Two-Step Thickened Water Test (TTWT)というトロミ水を使った嚥下検査が、「ミキサー食を誤嚥なく経口摂取できるかどうか?」の判定に役立ちそうか検討した論文です。

TTWTは身体検査などからなるプレテストとトロミ水のみテスト(トロミ水を4ml、2回飲んでもらう)の2段階からなり、すべてクリアできたらミキサー食は誤嚥なく食べられます、という検査です。

検者間信頼性はκ値:0.93で問題なし。嚥下内視鏡検査におけるミキサー食誤嚥を指標とした基準関連妥当性の検討では感度93%、特異度88%であり、水でなくトロミ水を使った検査に比べ特異度が高かったとの結果です。

ミキサー食の経口摂取可否は栄養ケア上も重要なポイントですし、それを手軽に検査できる良い方法だと思います。

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...