2014/11/16

脳卒中後嚥下障害者の脳血流SPECT検査

Which cortical area is related to the development of dysphagia after stroke? A single photon emission computed tomography study using novel analytic methods. Eur Neurol. 2012;67:74-80.
脳卒中後嚥下障害者の脳血流SPECT検査をみてみたという報告です。

VSRADとvbSEEというソフトを使って、voxel based analysisをしています。

脳卒中後嚥下障害患者は嚥下障害のない脳卒中患者と比較すると、ブロードマンの4野と24野で脳血流低下が見られ、嚥下障害検出力はROC解析の曲面下面積で4野:89%、24野:69%との結果でした。

4野と24野は脳卒中後嚥下障害者のfMRIでもよく検出される箇所ですね。fMRIよりもSPECTのほうが手軽にできるので、嚥下障害の原因となっている脳損傷部位を同定するにはよい方法かもしれません。

2014/11/15

半固形食物性と嚥下動態との関連性

Swallowing analysis for semisolid food texture in poststroke dysphagic patients. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2013;22:267-70.
脳卒中患者を対象に半固形食物性と嚥下動態との関連性を検討した論文です。

食品物性はヤマデンの物性測定装置にて硬さ、凝集性、付着性、ガム性を測定、嚥下動態は嚥下内視鏡検査にて咽頭残留、喉頭侵入、気管内誤嚥を見ています。

結果ですが、付着性が高いものは残留が多く、ガム性が高いものは誤嚥が多かったとのことです。それにしても嚥下内視鏡検査は食品の嚥下動態を観察するには良い検査ですね。

2014/08/25

高齢誤嚥性肺炎患者に対する摂食機能療法の有用性

Effect of Dysphagia Rehabilitation on Oral Intake in Elderly Patients with Aspiration Pneumonia. Geriatrics and Gerontology International 2014
誤嚥性肺炎入院患者・約25万人のデータをもとに日本の摂食機能療法のインパクトを検討した報告です。

誤嚥性肺炎患者のデータセットから65歳以上で、もともと経口摂取していたにも関わらず、入院後食べられなくなってしまった約10万人を抽出、そのうち2万人くらいが摂食機能療法を受けていた。平均年齢は85歳くらい、在院死亡率は約15%であった。

退院時に経口摂取自立できなかった人は20%以上おり、一般化推定方程式を用いた多変量解析の結果、摂食機能療法を受けた人たちは、受けなかった人たちに比べ退院時経口摂取自立率がオッズ比で1.3倍であった。(軽傷肺炎に絞ると2.3倍)

摂食機能療法は高齢誤嚥性肺炎患者の経口摂取自立に寄与しているみたいです。

2014/07/19

日本における胃瘻・腸瘻造設の実態

Sako A, Yasunaga H, Horiguchi H, Fushimi K, Yanai H, Uemura N. Prevalence and in-hospital mortality of gastrostomy and jejunostomy in Japan: a retrospective study with a national administrative database. Gastrointest Endosc. 2014;80:88-96.
日本における胃瘻・腸瘻造設の実態を明らかにした貴重な報告です。

急性期病院のデータ(2007-2010年)から胃瘻・腸瘻造設術を受けた6万人以上を抽出、入院中死亡率などを調査しています。

造設術を受けていた患者さんの平均年齢は77歳で、90%以上は60歳以上であった。

原疾患は肺炎(45%、そのうち誤嚥性肺炎が31%)、脳卒中(42%)が多かった。

在院日数の中央値は52日、入院から造設までの日数は中央値で22日、自宅に帰れた人は32%であった。

入院中死亡率は12%であった。死亡のリスクファクターは男性、高齢、腸瘻、緊急入院、ベッドの少ない病院、悪性腫瘍、肺炎、心不全、腎不全、肝疾患、褥瘡、敗血症、腹膜炎、消化管穿孔、出血であった。

日本における胃瘻・腸瘻造設術の施行件数は年間9-12万件くらいであろうと推計されています。過去のアメリカの報告に比べると、日本の方が人口あたりの年間造設件数多いようです。死亡率が一割以上というのは結構多いと感じました。

2014/07/18

医療者における幻想振動症候群の実態

Rothberg MB, Arora A, Hermann J, Kleppel R, St Marie P, Visintainer P. Phantom vibration syndrome among medical staff: a cross sectional survey. BMJ. 2010;341:c6914.
携帯電話を持っていると、電話がかかってきてないのに振動している幻覚に襲われることありますよね。この現象にはphantom vibration syndrome(幻想振動症候群:PVS)という名前がついているそうです。これは医療者におけるPVSの実態を調べたBMJの報告です。

169人の医療スタッフにアンケート調査をしたところ、68%の人がPVS経験があった。
PVSと関連の深い因子を調べたところ、職種(レジデントで1.47倍)、携帯の場所(胸ポケットで1.66倍)、携帯時間、バイブモードの使用に有意な関連性が認められたとのことです。

お風呂に入っていると、病院の電話が鳴っている幻聴が聞こえるのは私だけでしょうか?

2014/06/18

なぜ効果の無い治療が行われてしまうのか?

Why do doctors use treatments that do not work? For many reasons - including their inability to stand idle and do nothing.BMJ. 2004;328:1066.
医療現場ではあまり効果の無い治療が行われている場合があり、それにはいろいろ理由があります、とのBMJ Editorialです。

その理由としては以下のようなものがあげられています。
1、臨床経験から効くと感じている
2、サロゲートアウトカムを信頼しすぎている
3、自然経過を治療効果と勘違い
4、(誤った)病態整理モデルに対する愛着
5、儀式や奥義
6、何かをなすべき必要にせまられて
7、疑いをもたない
8、患者の希望

医療現場で行われているいろいろな事象を考察するのに役立ちそうです。

2014/05/05

リハ効果指標いろいろ(FIMのバリエーション)

Rehabilitation impact indices and their independent predictors: a systematic review. BMJ Open 2013;3:e003483
リハの効果指標としてはFIMがよく用いられますが、退院時FIM、FIMgain(FIM改善量)、FIMefficiency(FIM改善速度)のどれも統計学的にいろいろ問題があるな、と思ってました。これはリハの効果指標にどの様なものがあるかを調べたシステマティックレビューです。

最終的にはFIMgain、FIMefficiencyの他にもRehabilitation Effectiveness、Relative Functional Efficiency、Revised MRFSなどが抽出され、紹介されています。

Rehabilitation Effectiveness:改善しうる範囲内でのFIM改善量
Relative Functional Efficiency:改善しうる範囲内でのFIM改善速度
Revised MRFS:入院前ADLを考慮したRehabilitation Effectivenessの改訂版
といった感じでしょうか。

PremorbidFIMを導入したRevised MRFSがいい感じですがそれでも完璧ではないですね・・・それにしてもいろいろあるんですね、知りませんでした。対数変換を導入するのとかどうでしょうか?

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...