2014/11/16

男性ホルモンと脳卒中後回復との関係性

Effects of testosterone levels on functional recovery with rehabilitation in stroke patients. Neurol Med Chir 2014;54:794-8.
男性ホルモンと脳卒中患者の機能回復との関連性を調べた論文です。脳卒中で入院した男性リハ患者に限定して、入院時の血中フリーテストステロン濃度とFIMの改善度合いを見ています。

入院時FIM、退院時FIM、FIMの変化量とフリーテストステロン濃度との間に関連あり。

多変量解析でもフリーテストステロンと退院時FIMとの間には有意な関連性がみられたとのことです。

男性ホルモンが多いとやる気もあってリハも進みやすいのかもしれません。男性ホルモン濃度が低下しているリハ患者に、男性ホルモンを補充するとどうなるのかな?と興味があります。

嚥下障害に対する両側経頭蓋磁気刺激+嚥下リハ

Bilateral repetitive transcranial magnetic stimulation combined with intensive swallowing rehabilitation for chronic stroke Dysphagia: a case series study. Case Rep Neurol. 2014;6:60-7.
脳卒中後嚥下障害に対し両側rTMS+嚥下リハをやってみたとの報告です。

1週間の入院にて午前午後の2回に分けて、rTMS+嚥下リハをやってます。

rTMSは咽頭部のMEP(カテーテル電極を用いて)が最大になる左右の大脳領域に交互刺激をしたとのこと。

結果、いくつかの嚥下機能評価尺度において改善がみられたとのことです。rTMSとリハ、最近注目されています。

のどを直接磁気刺激すると嚥下機能が良くなる?

Functional Magnetic Stimulation Using a Parabolic Coil for Dysphagia After Stroke. Neuromodulation. 2013 Dec 9.
最近嚥下障害に対する経頭蓋磁気刺激(rTMS)の論文が出ていますが、こちらはのどを直接磁気刺激すると良いのでは?との報告です。

脳卒中後嚥下障害者を対象にのどに機能的磁気刺激(Functional Magnetic Stimulation:FMS)を実施、前後で水飲み速度などを評価しています。

結果、Real刺激群はSham刺激群に比較して、水飲み速度と飲水時の一口量が有意に向上したとの結果です。

機能的磁気刺激は電気刺激よりも痛みなく深部を刺激できるし、rTMSよりも安全だし良い方法では?とのことです。

トロミ水を使ってミキサー食が食べられるかどうか判定する

Applicability of the two-step thickened water test in patients with poststroke dysphagia: a novel assessment tool for paste food aspiration. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2013;22:817-21.
Two-Step Thickened Water Test (TTWT)というトロミ水を使った嚥下検査が、「ミキサー食を誤嚥なく経口摂取できるかどうか?」の判定に役立ちそうか検討した論文です。

TTWTは身体検査などからなるプレテストとトロミ水のみテスト(トロミ水を4ml、2回飲んでもらう)の2段階からなり、すべてクリアできたらミキサー食は誤嚥なく食べられます、という検査です。

検者間信頼性はκ値:0.93で問題なし。嚥下内視鏡検査におけるミキサー食誤嚥を指標とした基準関連妥当性の検討では感度93%、特異度88%であり、水でなくトロミ水を使った検査に比べ特異度が高かったとの結果です。

ミキサー食の経口摂取可否は栄養ケア上も重要なポイントですし、それを手軽に検査できる良い方法だと思います。

脳卒中後嚥下障害者の脳血流SPECT検査

Which cortical area is related to the development of dysphagia after stroke? A single photon emission computed tomography study using novel analytic methods. Eur Neurol. 2012;67:74-80.
脳卒中後嚥下障害者の脳血流SPECT検査をみてみたという報告です。

VSRADとvbSEEというソフトを使って、voxel based analysisをしています。

脳卒中後嚥下障害患者は嚥下障害のない脳卒中患者と比較すると、ブロードマンの4野と24野で脳血流低下が見られ、嚥下障害検出力はROC解析の曲面下面積で4野:89%、24野:69%との結果でした。

4野と24野は脳卒中後嚥下障害者のfMRIでもよく検出される箇所ですね。fMRIよりもSPECTのほうが手軽にできるので、嚥下障害の原因となっている脳損傷部位を同定するにはよい方法かもしれません。

2014/11/15

半固形食物性と嚥下動態との関連性

Swallowing analysis for semisolid food texture in poststroke dysphagic patients. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2013;22:267-70.
脳卒中患者を対象に半固形食物性と嚥下動態との関連性を検討した論文です。

食品物性はヤマデンの物性測定装置にて硬さ、凝集性、付着性、ガム性を測定、嚥下動態は嚥下内視鏡検査にて咽頭残留、喉頭侵入、気管内誤嚥を見ています。

結果ですが、付着性が高いものは残留が多く、ガム性が高いものは誤嚥が多かったとのことです。それにしても嚥下内視鏡検査は食品の嚥下動態を観察するには良い検査ですね。

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...