2011/09/24

一度太ったら運動だけではやせられない

JAMA. 2010 Mar 24;303(12):1173-9.Physical activity and weight gain prevention.
ダイエット目的に運動する人もいますが、運動による体重増加抑制効果がいかほどのものかを検討した報告です。54歳くらいの健康女性34000人を対象とし、運動強度ごとに体重の変化率を13年フォローした前向き研究です。

結果ですが標準的な体重の人であれば毎日中強度の運動を行うことで体重維持できていたが、BMI>25の人ではあらゆる強度の運動によっても体重維持は困難であったとの結論です。

もちろん運動にはダイエット効果以外にもたくさんのアンチエイジング効果があるので運動は無駄、という話ではないですが、運動だけでやせるのは大変そうです。

2011/09/23

お化粧のアンチエイジング効果

Effect of an isoflavone-containing cosmetics, eterrite on the mental and physical parameters associated with QOL and aging.Anti-Aging Medicine 2(3):19-26, 2004.
お化粧にアンチエイジング効果がありましたとの報告です。5週間のお化粧(化粧水を用いて)前後でホルモン採血やAnti-Aging QOLを比較しています。

ホルモン採血についてはストレスホルモンであるコルチゾールが15.5→11.3と軽減、女性ホルモンエストラジオールが54.9→139.2と増加していた。またAAQOLでは幸福感や対人不安感、睡眠の質などに有意な改善がみられたとのこと。お化粧にはリラクゼーション効果、社交性の改善効果があり、ストレス対策としても期待できると考察されています。女性にはあって男性にはない化粧という行動、健康寿命などにもつながるのでしょうか。比較臨床試験等でも良い結果が出るといいですね。

女子力が高い人ほど元気で長生きだと思うのですがいかがでしょうか(笑)

2011/09/20

運動する子供の海馬は大きいよ

Brain Res. 2010;1358:172-83. .A neuroimaging investigation of the association between aerobic fitness, hippocampal volume, and memory performance in preadolescent children.
運動する子供の海馬が大きいことを明らかにした報告です。
結果の図ですがLow-fit児に比べHigh-fit児の海馬容積が大きいことがわかると思います。

神経新生を促進させる物質としてはBDNF(Brain-derived neurotrophic factor:脳由来神経栄養因子)やIGF-1(insulin-like growth factor-1: インシュリン様成長因子-1)が有名ですが、運動により海馬のBDNFが増加すること運動によりIGF-1が分泌され脳が大きくなることは過去に報告されています。
運動により脳神経を発達させるいろいろな物質が分泌されるとのこと、まさに脳を鍛えるには運動しかないということですね。

2011/09/18

偽膜性腸炎を起こしやすい薬(レビュー)

Clin Infect Dis. 2008 Jan 15;46 Suppl 1:S19-31.Antimicrobial-associated risk factors for Clostridium difficile infection.
抗生剤を長期に使うと偽膜性腸炎という病態にしばしば出くわすのですが、これはどのような抗生剤が偽膜性腸炎を引き起こしやすいかについてのレビューです。

免疫力が落ちていると症状が顕在化しやすく、また高齢であったり抗生剤が追加されたりすると再発もしやすくなる、と。

結果ですが、セフェム系の薬が上位に食い込んでますね。高齢者の抗生剤選びの際には気をつけたいと思います。

2011/09/15

脳卒中患者に対するアナボリックステロイドの効果

Addition of an anabolic steroid to strength training promotes muscle strength in the nonparetic lower limb of poststroke hemiplegia patients.Int J Neurosci. 2010;120:617-24.
脳卒中片麻痺患者さんにアナボリックステロイドを投与しながらリハビリやったら良かったよ、との鹿児島からの報告です。

脳卒中片麻痺リハ患者さんをandrogenic steroid(AAS)群とcontrol群にわけ(AAS群はAAを6週間投与)筋量増加効果を比較した結果、AAS群の方が有意な筋量増加がみられたとのこと。

アナボリックステロイドは男性ホルモン類似物質であり、長期投与では心血管イベントが増加する可能性もあるのですが、本研究は6週間と短期間であり大きな有害事象はなかったということ。先行研究からリスク評価後短期間の使用であれば大きなリスク増加はないとの考察もされており、回復期の症例に対し奥の手として、とかなら良いかもと感じました。

2011/09/08

脳卒中後嚥下障害に対する針灸の有効性

Randomized controlled study on dysphagia after stroke treated with deep insertion of Chonggu by electroacupuncture
脳卒中後嚥下障害に鍼治療が有効との報告です。
283人の脳卒中後嚥下障害者を3群にわけ針治療を施した。(A群:Chongguに深くさす、B群:Chongguに浅くさす、C群:従来のつぼの幾つかにさす)
結果、A群の97%に水のみテストにおいて改善がみられ、これはB群・C群に対し有意であったとの結論です。Chongguというツボは首の後ろにあるみたい? 脳卒中に対する鍼治療の有効性の報告、海外ではたくさんあるようです。いやー、実際よくわかりませんが東洋の神秘ですね。

2011/09/07

脳卒中後嚥下障害に歌が有効

Music therapy protocol development to enhance swallowing training for stroke patients with dysphagia.J Music Ther. 2010; 47:102-19.
脳卒中後嚥下障害者にSingingを中心としたMusic Therapyを2週間施行したとの報告。

嚥下反射、呼吸、喉頭運動に関して有意な改善がみられたとのことです。嚥下障害に発声訓練が有効との報告もありますが、歌をうたうのも良さそうですね。

2011/09/06

薬指が長いトレーダーは稼ぎがいい

Second-to-fourth digit ratio predicts success among high-frequency financial traders. Proc Natl Acad Sci 2009;106:623-8.
人差し指の長さ/薬指の長さ(2D:4D)は胎児期における男性ホルモンの暴露量を反映しており、性格や身体機能の傾向を予想するのに使えると言われています。これは2D:4Dがトレーダーとしての資質を反映するどうか検討した報告です。
対象は男性トレーダー44人、2D:4Dの値によってトレーディングによる稼ぎに有意差がみられるかどうか調査しています。
結果ですが2D:4DLow群は2D:4DHigh群に比べ、稼ぎが平均で10倍以上違うという驚くべき結論です。薬指が長い人は瞬間的な集中力と決断力に優れているのではないかとのこと。もちろん薬指が長い人の方が苦手な分野もあると思うので向き不向きということだとは思いますが、指の長さである程度その人のことがわかってしまうというのはおっかないですね。

2011/09/05

緩和ケアにおけるメラトニンの有用性

Is there a role for melatonin in supportive care? メラトニンには時差ぼけ改善効果だけでなく抗癌作用、骨粗鬆症・認知症予防効果があると言われていますが、緩和ケアの臨床現場における有用性はいかほどでしょうか?これは終末期癌患者200人(癌のタイプは様々)をメラトニン群と非メラトニン群にわけて前向きに検討した論文です。

メラトニンを使うと癌の種類に関わらず癌の進行速度がゆっくりになる症例がいました。(トータルでは有意差あり。)

メラトニン群のほうが有意な生存期間の延長がみられました。

そして悪液質や倦怠感、食欲低下、抑うつ、血球減少症はメラトニン群で有意に少なかったし、メラトニン自体による有害事象もなかったとの報告です。
メラトニンは緩和ケアの現場において無増悪生存期間とQOLの改善に役立ちそうです。

2011/09/02

半夏厚朴湯は誤嚥性肺炎予防に有効 (RCT)

A pilot study of banxia houpu tang, a traditional Chinese medicine, for reducing pneumonia risk in older adults with dementia.J Am Geriatr Soc.2007;55:2035-40.
半夏厚朴湯(Banxia Houpo Tang)という漢方薬には嚥下反射改善効果があると言われていますが、臨床的にどれくらい効果があるのか調べてみました。これは高齢認知症患者に対する半夏厚朴湯(BHT)のRCTで、100人近くの患者をBHT群とControl群にわけて1年フォローしています。
結果ですがControl群では14人誤嚥性肺炎になったのに対し、BHT群では4人しか誤嚥性肺炎を起こさず、有意差ありとのことです。半夏厚朴湯による有害事象もなかったとのことで、非常に使いやすい薬だと思いました。

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...