2011/08/29

第1回日本リハ栄養研究会参加登録始まりました

日本リハビリテーション栄養研究会ホームページが開設され、先日より第1回日本リハ栄養研究会(12/3・横浜)の参加登録が始まりました。先着150人とのことですが、ほぼ締め切りまじかのようです。

発起者である若林秀隆先生の「Facebookに参加者全員事前登録」という非常に先進的な試みにより、研究会参加前後での会員同士のインタラクティブな情報交換が可能となっています。

「リハにとって栄養はバイタルサインである」
リハ効果をもっとうまく引き出すために栄養評価・介入は欠かせないものとなっていきています。多くのリハ関連職種がもっと栄養に興味を持つことで日本のリハ現場は急成長すると感じています。


2011/08/28

日常的な飲酒は血圧をあげる メタアナリシス

お酒が血圧に与える影響について調べてみました。これは飲酒が血圧へ与える影響を短期効果・長期効果にわけて検討したメタアナリシスです。

まずは短期効果についてです。飲酒5時間後くらいは収縮期・拡張期血圧ともに下がるようなのですが、その後もとにもどっていました。


次に長期効果についてです。日常的飲酒によって収縮期・拡張期血圧ともに有意な上昇がみられました。

飲酒直後は血圧が下がるが、日常的に飲み続けるとやはり血圧があがるという結論でした。

2011/08/27

ファーストフード店が近くにあると脳卒中になりやすい

Fast Food and Neighborhood Stroke Risk. Ann Neurol. 2009; 66: 165–170.
ファーストフード店が近くにあることが脳卒中の発症と関連性があるかどうかを検証した報告です。テキサス州のファーストフード店の分布と脳卒中の発症率を前向き検討し、社会経済的な因子を補正して関連性をみています。
結果ですが、ファーストフード店が近くにあると有意に脳卒中の発症率はあがっていたという結論です。ファーストフード店が近くに一つ増えるごとに脳卒中発症率は1%づつ増加が見られたとのこと。
地理的なものと疾患との関連性に関する空間疫学、おもしろいですね。テキサスを選んだのは大当たりだと思います(笑)

2011/08/21

Facebookの笑顔おすそわけ機能

Social network visualization in epidemiology. Norsk Epidemiologi 2009.19:5-16.
Facebook上で笑顔が伝染していくことを明らかにしたすてきな報告です。
Facebook上の笑顔の頻度と人と人とのつながりを疫学的に解析しています。黄色は笑顔の多かったクラスター、青は笑顔の少ないクラスターです。笑顔の多い人とのつながりが自分の笑顔の頻度に影響を及ぼしているとの結果です。Framingham Happiness Studyでは遠くに住んでる人からは幸せが伝染しにくいということでしたが、Facebookでは地理的な距離はもちろん関係ありません。Facebookには笑顔のおすそわけ機能がついているのかもしれません。


2011/08/20

幸せな人が近くにいると自分も幸せになる

Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study.BMJ. 2008
幸せは伝染するとのFramingham happiness studyの論文です。4739人のデータ解析によって得られたBMJの報告です。

幸せな人たちは社会の中で集団を形成してます。

幸せな人が近くにいればいるほど幸せになります。

幸せな人がまわりにたくさんいればいるほど自分も幸せになります。

幸せは特に友人、隣人から伝染しやすい。幸せな友人が1マイル以内に住んでいれば自分も幸せになる確率が25%増加、隣人の場合は34%増加します。

幸せな友人・隣人が近くにいれば、自分も幸せにならずにはいられない。幸せが幸せを呼ぶというこの報告、本当に素敵です!


2011/08/19

減塩は必ずしも健康につながらない

Fatal and Nonfatal Outcomes, Incidence of Hypertension, and Blood Pressure Changes in Relation to Urinary Sodium Excretion. JAMA. 2011;305:1777-85.
今年JAMAに掲載された論文で、減塩は必ずしも健康につながらないとの報告です。心臓病・高血圧のない患者を塩分摂取量で群分けしています。
結果ですが、減塩してる人の方が心臓関連死亡率が高かったとの驚くべき結論。もちろん、高血圧に対する減塩療法を否定するものではありませんが、健康な人においては必ずしも減塩が良いわけではないとのことです。

2011/08/15

ダイエットにアンチエイジング効果はあるのか?

アンチエイジングダイエットなんて言葉もあるようですが、そもそもダイエットにはアンチエイジング効果があるのでしょうか?これは低体重・過体重・肥満と死亡率との関連性を検討した論文です。アメリカで行われた4年間、130000人以上に対する調査でNHANESⅠ~Ⅲと三つのデータのフォローアップです。BMI:18.5~25を正常、<18.5を低体重 25~30を過体重 ≧30を肥満と定義しています。


25~59歳では低体重、肥満群で死亡率が増えていますが、過体重群ではそれほど死亡率は上がっていませんでした。

 60~69歳のデータです。これも低体重では死亡率が上がっていますが、肥満群ではそれほどでもなく、過体重群はほとんど上昇がみられません。

70歳以上ともなると低体重群では死亡率が高いのに対し、過体重群、肥満群ともに死亡率はほとんど変わりない結果に。

あらゆる年代でやせている人は死亡率が高いが、年を取るにつれ肥満者が必ずしも寿命が短いわけではないとの結果です。

ダイエット行為そのものがアンチエイジングに良いかどうかに関しては今だ議論の余地があります。特に体重変動のあるリバウンダーはダイエットが成功してもしなくても死亡率が高くなるとの報告もありますし、無理なダイエットはかえってエイジングを進める可能性もあります。

痩せ過ぎは健康に良くないし、高齢者はそんなに痩せなくていい可能性があります。

2011/08/14

低脂肪食より低炭水化物食が脂質代謝改善に有効

Weight and Metabolic Outcomes After 2 Years on a Low-Carbohydrate Versus Low-Fat Diet.Ann Intern Med 2010; 153:147-157.
アンチエイジングダイエットというと低炭水化物食か低脂肪食かという話をよく聞きますが、長期的な検討が不十分でした。これは2010年Ann Intern Medに掲載された2年間にわたるRCTの報告です。

2年間後の減量効果には有意差がありませんでした。

有意差がみられたのはコレステロールについてで、低炭水化物食の方がHDLの有意な上昇を認めたとの結論です。

過去の文献を見ても、低炭水化物食の方がHDL、TG、T-choの改善がみられるとの報告が多いですね。また食後高血糖のことを考えれば耐糖能障害がある人には低炭水化物食の方が良さそうなことは容易に想像されます。しかし生命予後や総合的な評価という点では、まだまだどちらがアンチエイジングに良いか議論の余地があるようです。

個人的には何を食べるかもそうですが、どう食べるか(一日何回、何時ごろ、何分かけて食べるかなど)がアンチエイジングには大切ではないかと考えています。まあでも、丼と麺のセットメニューとか正直どうかと思いますけど(笑)

2011/08/13

適度なストレスは我々を強くする(ホルミシス仮説)


Stress-Response Hormesis and Aging: “That which Does Not Kill Us Makes Us Stronger” Cell Metabolism 2008.
ニーチェの有名な言葉を副題にしたこの論文は、適度なストレスがアンチエイジングに良いとするミニレビューです。
多すぎれば毒になるものも、有害域に達しないような少ない量では機能を促進させる(ホルミシス効果)ことがあるとしています。確かに臨床的には適度な身体的・精神的ストレスが健康に良いということはしばしば経験されます。仮説ではありますが、アンチエイジングやリハビリ、栄養といったものの考え方としては便利だと思います。

磁気刺激を応援するクラウドファンディング「脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい」

磁気刺激療法を応援するクラウドファンディング「 脳卒中の後遺症に悩まれている方々を磁気刺激療法で救いたい 」がREADYFORにて行われています。 https://readyfor.jp/projects/hosp_mie-rehabil 経頭蓋磁気刺激療法は脳卒中治療ガイドライ...